AM45〜58 病理組織細胞学

第63回 臨床検査技師 国家試験 解説集
maimai
maimai

このブログを運営しているmaimaiと申します。
一緒に合格に向けて頑張りましょう!!

こちらでは、平成29年(2017年)に実施された

第63回 臨床検査技師国家試験 AM45〜58 病理組織細胞学

の解答と解説を掲載しております。

AM45 問題

H-E 染色標本(別冊No. 8)を別に示す。臓器はどれか。

  1. 気 管
  2. 食 道
  3. 大 腸
  4. 尿 管
  5. 甲状腺
解答と解説

解答:4

  1. 線毛円柱上皮で被覆されている。
  2. 重層扁平上皮で被覆されている。
  3. 単層円柱上皮で被覆されている。
  4. 画像では最上層にアンブレラ細胞がみられ、移行上皮であることがわかる。尿管は移行上皮で被覆されている。
  5. コロイド構造がみられる。

AM46 問題

萎縮するのはどれか。

  1. 授乳期の乳腺
  2. 高齢者の前立腺
  3. 思春期以降の胸腺
  4. 腎摘出後の残存腎
  5. スポーツ選手の心臓
解答と解説

解答:3

  1. 肥大である。
  2. 過形成である。
  3. 萎縮である。
  4. 肥大である。
  5. 肥大である。

AM47 問題

膵癌で正しいのはどれか。

  1. 予後良好である。
  2. 早期発見が難しい。
  3. 女性に多く発生する。
  4. 内分泌細胞由来が多い。
  5. 骨への血行性転移が多い。
解答と解説

解答:2

  1. 沈黙の病といわれ、予後不良である。
  2. 発見時には末期癌となっていることが多い。
  3. 男性にやや多い。
  4. 浸潤性膵管癌が多い。
  5. 肝や肺への血行性転移が多い。

AM48 問題

大腸癌で正しいのはどれか。

  1. 低分化腺癌が多い。
  2. 上行結腸に好発する。
  3. 大腸腺腫症で好発する。
  4. 小腸癌より発生頻度が低い。
  5. 早期癌には Borrmann 分類を用いる。
解答と解説

解答:3

  1. 高~中分化型腺癌が多い。
  2. 直腸とS状結腸に多い。
  3. 前癌病変とされている。
  4. 圧倒的に大腸癌が多い。小腸の細胞は分裂が盛んなため、癌になりにくい。
  5. 胃がんと同じで進行癌に適用される。

AM49 問題

中和操作を要する脱灰法・脱灰液はどれか。2つ選べ。

  1. ギ 酸
  2. EDTA 法
  3. 電気脱灰法
  4. トリクロロ酢酸
  5. プランク・リクロ(Plank-Rychlo)法
解答と解説

解答:3,5

  1. 有機酸であるため、中和は必要ない。
  2. 中性脱灰液であるため、中和は必要ない。
  3. 無機酸を使用するため、中和が必要である。
  4. 有機酸であるため、中和は必要ない。
  5. 無機酸を使用するため、中和が必要である。

AM50 問題

ミクロトームの刀台で行う操作はどれか。2つ選べ。

  1. 逃げ角の設定
  2. 引き角の設定
  3. 切片厚の設定
  4. カセットクランプの固定
  5. パラフィンブロック表面の角度調節
解答と解説

解答:1,2

  1. 逃げ角は組織薄切面と刃面とがなす角度である。
  2. 引き角は刀台滑走路に対して刃が交わる角度である。
  3. 微動送りねじで行う。
  4. 試料台で行う。
  5. 試料台で行う。

AM51 問題

術中迅速組織標本作製法で正しいのはどれか。

  1. 急速に凍結する。
  2. 包埋剤は使用しない。
  3. 脂肪組織は薄切しやすい。
  4. Papanicolaou 染色を行う。
  5. クリオスタットの庫内温度は0℃である。
解答と解説

解答:1

  1. 遅いと氷晶が形成されるため、急速凍結が正しい。
  2. 水溶性包埋剤を使用する。
  3. 軟らかいため、薄切しにくい。
  4. H-E染色を行う。
  5. ブロックが溶けないように-20℃に設定されている。

AM52 問題

大腸癌の特殊染色標本(別冊No. 9)を別に示す。この染色法が目的とする対象はどれか。

  1. 筋線維
  2. 弾性線維
  3. 細網線維
  4. 膠原線維
  5. 神経線維
解答と解説

解答:2

  1. 画像では血管壁がビクトリア青で青色、その他組織がエオジンで赤色、核がヘマトキシリンで紫色に染まっているため、ビクトリア青染色とH-E染色の重染色である。弾性線維を染めて脈管侵襲を観察するのに適している。
  2. 渡辺の鍍銀染色などが行われる。
  3. マッソントリクローム染色などが行われる。
  4. Bodian染色などが行われる。

AM53 問題

腎臓の特殊染色標本(別冊No. 10)を別に示す。染色法はどれか。

  1. PAS 反応
  2. azan 染色
  3. PAM 染色
  4. Masson trichrome 染色
  5. elastica van Gieson 染色
解答と解説

解答:3

  1. 基底膜が赤紫色に染まる。
  2. 基底膜が青色に染まる。
  3. 基底膜が黒色に染まる。
  4. 基底膜が青色に染まる。
  5. 基底膜が赤色に染まる。

AM54 問題

免疫組織化学的マーカーと疾患の組合せで正しいのはどれか。

  1. AFP――――――膵癌
  2. CA125―――――胆囊癌
  3. CEA――――――骨肉腫
  4. c-kit――――――髄芽腫
  5. S100蛋白――――悪性黒色腫
解答と解説

解答:5

  1. 肝細胞癌のマーカーである。
  2. 漿液性卵巣癌のマーカーである。
  3. 諸臓器の腺癌のマーカーである。
  4. 消化管間質腫瘍のマーカーである。
  5. 他にMelanAやMelanomaなどもマーカーとなる。

AM55 問題

膵臓の透過型電子顕微鏡写真(別冊No. 11)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

  1. 核小体
  2. 滑面小胞体
  3. ミトコンドリア
  4. ゴルジ(golgi)装置
解答と解説

解答:4

  1. 通常円形をしている。
  2. 核の中に観察される。
  3. 表面が平滑な膜状の構造をとる。
  4. 楕円形で中にクリステやマトリクスが観察される。
  5. 膜状構造である。

AM56 問題

悪性腫瘍細胞の特徴はどれか。

  1. 核の円形化
  2. 核小体不明瞭
  3. 細胞質空胞化
  4. 核クロマチン増量
  5. 核と細胞質の面積比(N/C 比)の低下
解答と解説

解答:4

  1. シワなどの核形不整がみられる。
  2. 核小体は明瞭となる。
  3. 特徴的ではない。
  4. 粗顆粒状や細顆粒状の増殖がみられる。
  5. N/C比は増加する。

AM57 問題

Papanicolaou 染色標本における扁平上皮癌の細胞学的特徴はどれか。

  1. 粘液産生
  2. 腺腔様構造
  3. 光輝性の黄色細胞質
  4. 立体的な重積性集塊
  5. 細顆粒状のクロマチン
解答と解説

解答:3

  1. 腺癌細胞の特徴である。
  2. 腺癌細胞の特徴である。
  3. オレンジG好性で奇怪な形状をとる癌細胞が特徴的である。
  4. 腺癌細胞の特徴である。
  5. 種々の組織型で観察される。

AM58 問題

病理解剖時に摘出された臓器の肉眼写真(別冊No.12)を別に示す。臓器はどれか。

  1. 心 臓
  2. 肝 臓
  3. 脾 臓
  4. 腎 臓
解答と解説

解答:4

  1. 左肺であれば2葉、右肺であれば3葉に分かれている。
  2. 4つの腔と動脈や静脈がみられる。
  3. スケールが画像の3倍である。
  4. 画像では楕円形で血液量が豊富、スケールが10cmであることから脾臓が考えられる。
  5. 腎臓の周囲には脂肪組織が多くみられ、尿管もみられる。

出典:厚生労働省ホームページ 第63回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp170425-07.html

タイトルとURLをコピーしました