PM59〜67 臨床血液学

第63回 臨床検査技師 国家試験 解説集
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こちらでは、平成29年（2017年）に実施された

第63回 臨床検査技師国家試験 PM59〜67 臨床血液学

の解答と解説を掲載しております。

PM59 問題

活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)に関与するのはどれか。2つ選べ。

  1. プロトロンビン
  2. 組織因子
  3. 第Ⅶ因子
  4. 第Ⅻ因子
  5. 第ⅩⅢ因子
解答と解説

解答：1,4

  1. APTTとPTの両方に関与する。
  2. PTにのみ関与する。
  3. PTにのみ関与する。
  4. APTTにのみ関与する。
  5. 不安定フィブリンの検出までの時間のため、どちらにも関与しない。

PM60 問題

健常成人における検査値でみられないのはどれか。

  1. 赤血球数 450 万/μL
  2. ヘモグロビン濃度 14 g/dL
  3. ヘマトクリット 42％
  4. 網赤血球数 15 万/μL
  5. 血小板数 20 万/μL
解答と解説

解答：4

  1. 基準値：男性435万～555万/µL、女性386万～492万/µL
  2. 基準値：男性13.7～16.8g/dL、女性11.6～14.8g/dL
  3. 基準値：男性40.7～50.1％、女性35.1～44.4％
  4. 基準値：比率0.5～1.5％、絶対数24000～84000/µL
  5. 基準値：10～40万/µL

PM61 問題

血小板無力症でみられるのはどれか。2つ選べ。

  1. APTT 延長
  2. 血小板数減少
  3. 出血時間延長
  4. ADP 凝集能低下
  5. リストセチン凝集能低下
解答と解説

解答：3,4

  1. 二次止血の検査項目である。
  2. 血小板数に異常はみられない。
  3. 凝集能が低下するため。
  4. フィブリノゲン受容体の欠損症であるため。
  5. 粘着能は正常である。

PM62 問題

von Willebrand 病で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. FDP が上昇する。
  2. APTT が延長する。
  3. 血小板数が増加する。
  4. 出血時間が延長する。
  5. X 染色体性劣性遺伝疾患である。
解答と解説

解答：2,4

  1. von Willebrand 病は出血傾向の病態である。FDP上昇は凝固亢進時の所見である。
  2. 第Ⅷ因子活性の低下がみられるため。
  3. 血小板数は正常である。
  4. 粘着能が低下する病態のため。
  5. 常染色体優性遺伝疾患である。

PM63 問題

末梢血の Wright-Giemsa 染色標本(別冊No. 12)を別に示す。考えられるのはどれか。

  1. 赤芽球癆
  2. サラセミア
  3. 鉄芽球性貧血
  4. 再生不良性貧血
  5. 細血管障害性溶血性貧血
解答と解説

解答：5

  1. 巨大赤芽球が出現する。
  2. 標的赤血球などがみられる。
  3. 環状鉄芽球がみられる。
  4. 無効造血である。
  5. 播種性血管内凝固症候群、溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性紫斑病の3つのことをいう。

PM64 問題

検査所見と疾患の組合せで正しいのはどれか。

  1. 好塩基球増加―――――慢性骨髄性白血病
  2. 好酸球増加――――――Cushing 症候群
  3. 好中球増加――――――ウイルス感染症
  4. 単球増加―――――――伝染性単核症
  5. リンパ球増加―――――敗血症
解答と解説

解答：1

  1. 白血病裂孔がなく、全ての成熟段階の血球がみられる。
  2. ステロイドホルモンの過剰により好酸球数は低下する。
  3. リンパ球が増加する。
  4. リンパ球が増加し、異型リンパ球がみられる。
  5. 好中球が増加する。

PM65 問題

PML-RARA 融合遺伝子がみられるのはどれか。

  1. 急性赤白血病
  2. 急性単球性白血病
  3. 急性巨核芽球性白血病
  4. 急性骨髄単球性白血病
  5. 急性前骨髄球性白血病
解答と解説

解答：5

  1. みられない。
  2. みられない。
  3. みられない。
  4. みられない。染色体検査でinv(16)がみられる。
  5. みられる。

PM66 問題

慢性骨髄性白血病に特徴的な所見はどれか。

  1. PAS 染色陽性
  2. 環状鉄芽球増加
  3. ペルオキシダーゼ染色陰性
  4. 非特異的エステラーゼ染色陽性
  5. 好中球アルカリホスファターゼ活性低下
解答と解説

解答：5

  1. 赤白血病の特徴である。
  2. 鉄芽球性貧血の特徴である。
  3. リンパ性白血病の特徴である。
  4. 急性骨髄単球性白血病と急性単球性白血病の特徴である。

PM67 問題

リンパ球で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. B 細胞は骨髄で産生される。
  2. NK 細胞は免疫グロブリンを産生する。
  3. 成熟 T 細胞はトロンボポエチンを産生する。
  4. 成熟 B 細胞は細胞表面に補体レセプターを持つ。
  5. 健常成人の末梢血では T 細胞よりも B 細胞が多い。
解答と解説

解答：1,4

  1. T細胞は胸腺で産生される。
  2. B細胞の特徴である。
  3. トロンボポエチンは肝臓で産生される。
  5. T細胞の方が多い。

出典：厚生労働省ホームページ　第63回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp170425-07.html

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