
maimai
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こちらでは、平成29年(2017年)に実施された
第63回 臨床検査技師国家試験 AM1〜10 臨床検査総論
の解答と解説を掲載しております。
AM1 問題
臨床検査技師が単独で行うことができるのはどれか。2つ選べ。
- 頭皮誘導による脳波検査
- 針電極による筋電図検査
- 散瞳薬を用いた眼底写真検査
- 冷水刺激による眼振電図検査
- マウスピースを用いた呼吸機能検査
解答と解説
解答:1,5
- 頭皮誘導によるものに限る。
- 針電極による場合の穿刺を除く。
- 散瞳薬を投与して行うものを除く。
- 冷水もしくは温水による刺激を除く。
- マウスピースとノーズクリップを使用して行うものに限る。
AM2 問題
許容誤差限界(CV%)を求めるTonksの式を示す。(①)内の数値として正 しいのはどれか。
許容誤差限界(CV%)=基準範囲の幅×(①)/基準範囲の中央値×100×1/2
- 1/4
- 1/2
- 1
- 2
- 4
解答と解説
解答:1
AM3 問題
健常成人男性の1日平均原尿量(糸球体濾過量)に最も近い値(L)はどれか。
- 15
- 50
- 150
- 500
- 1,500
解答と解説
解答:3
- 150Lの原尿の約1%の1500mLが一日の尿量である。
AM4 問題
尿沈渣に見られた結晶(別冊No. 1)を別に示す。考えられるのはどれか。

- 高尿酸血症
- 閉塞性黄疸
- ネフローゼ症候群
- 先天性シスチン尿症
- 先天性アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症
解答と解説
解答:2
- 尿酸結晶がみられる。
- 画像では針状で黄褐色のビリルビン結晶がみられる。黄疸時に尿中に出現する。
- 卵円形脂肪体などがみられる。
- シスチン結晶などがみられる。
- 2,3ジヒドロキシアデニン結晶などがみられる。
AM5 問題
免疫学的便潜血検査で正しいのはどれか。
- 痔核で陽性とならない。
- 大腸ポリープで陽性とならない。
- 検査前の食事内容制限を必要とする。
- 連続日検査をすると陽性率は上昇する。
- 大腸早期癌のスクリーニングとして 90%の感度がある。
解答と解説
解答:4
- 痔核などの下部消化管出血で陽性となる。
- 便通過時に粘膜損傷により出血すると陽性になる。
- 免疫学的検査では不要で、化学的検査では必要である。
- 症状により連続的な出血があるとは限らないため連続日検査する方が良い。
- 早期癌で30~40%、進行癌で60~75%の感度がある。
AM6 問題
肝吸虫症の対策として正しいのはどれか。2つ選べ。
- 川魚の生食をやめる。
- 川で水浴びをしない。
- トイレで排便を行う。
- 蚊帳に入って就寝する。
- 熱処理の不十分な豚肉を食べない。
解答と解説
解答:1,3
- 第二中間宿主であるモツゴ、モロコ、フナ、コイなどの川魚の生食をやめると対策できる。
- 虫卵が糞便中に排出されるため、自然で排便を行うと中間宿主への感染を経てヒトに伝染していくため、トイレでの排便が対策となる。
- 蚊は媒介しないため誤り。
- 豚肉は有鉤条虫の感染経路である。
AM7 問題
皮膚に付着していた虫体(体長 2.5 mm)の写真(別冊No. 2)を別に示す。
この虫が引き起こすのはどれか。

- 疥 癬
- ペスト
- 発疹チフス
- ツツガムシ病
- 重症熱性血小板減少症候群
解答と解説
解答:5
- ヒゼンダニが引き起こす。
- ケオプスネズミノミが引き起こす。
- ヒトジラミが引き起こす。
- ツツガムシが引き起こす。
- フタトゲチマダニが引き起こす。
AM8 問題
糞便検査で虫卵が検出されるのはどれか。2つ選べ。
- 有棘顎口虫
- 日本住血吸虫
- ビルハルツ(Bilharz)住血吸虫
- バンクロフト(Bancroft)糸状虫
- ウエステルマン(Westerman)肺吸虫
解答と解説
解答:2,5
- 免疫血清学的診断法で診断される。
- 糞便中の虫卵を検出することができる。
- 尿中に検出される。
- 血中のミクロフィラリアを検出することで診断される。
- 喀痰や糞便中の虫卵を検出することができる。
AM9 問題
遺伝子の変異原と人体への影響の組合せで最も関連の深いのはどれか。
- 放射線――――――大腸癌
- 紫外線――――――甲状腺癌
- 活性酸素―――――乳癌
- ベンゾピレン―――皮膚癌
- ニトロソ化合物――肺癌
解答と解説
解答:4
- 関連性は少ないとされている。
- 関連性は少ないとされている。
- 関連性は少ないとされている。
- 関連が深いとされている。
- 関連性は少ないとされている。
AM10 問題
遺伝子検査法とその目的の組合せで誤っているのはどれか。
- ノザンブロット法――――――――DNA 断片の解析
- FISH法―――――――――――――欠失解析
- DNA マイクロアレイ法――――――網羅的遺伝子解析
- シークエンス解析法―――――――変異解析
- マイクロサテライトDNA解析法――キメリズム解析
解答と解説
解答:1
- RNAを対象とする。DNAはサザンブロット法である。
- 他に融合、分離、重複なども検出可能である。
- JAK2やRAS遺伝子などの一塩基置換の検出に使用される。
- キメリズムとは患者由来細胞とドナー由来細胞の比率のことである。
出典:厚生労働省ホームページ 第63回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp170425-07.html