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こちらでは、平成29年(2017年)に実施された
第63回 臨床検査技師国家試験 PM79〜89 臨床免疫学
の解答と解説を掲載しております。
PM79 問題
細胞傷害性 T 細胞のT細胞レセプターで正しいのはどれか。
- 遺伝子の再構成は起きない。
- MHCクラスⅡ拘束性を持つ。
- CD4分子と共同して機能する。
- 抗原提示細胞からの刺激を受ける。
- α 鎖、β 鎖、γ 鎖および δ 鎖からなる四量体である。
解答と解説
解答:4
- TCRにも多様性があるため再構成は起きる。
- MHCクラスⅠ拘束性をもつ。
- CD3分子と共同して機能する。
- これにより抗原情報を受け取り、感染細胞を排除する。
- 1本のα鎖とβ鎖が共有結合してできている。
PM80 問題
免疫グロブリンで正しいのはどれか。
- IgA は胎盤通過性がある。
- IgD は T 細胞に存在する。
- IgE は肥満細胞に結合する。
- IgG は補体活性化能がない。
- IgM は分泌成分と結合している。
解答と解説
解答:3
- IgGが胎盤通過性をもつ。
- B細胞に存在する。
- 肥満細胞はFcε受容体をもつため。
- 補体活性化能をもち、古典経路を活性化する。
- IgAの特徴である。
PM81 問題
地帯現象がみられるのはどれか。2つ選べ。
- 蛍光抗体法
- 免疫比ろう法
- 酵素免疫測定法
- 化学発光免疫測定法
- ラテックス凝集比濁法
解答と解説
解答:2,5
- 地帯現象とは抗原過剰や抗体過剰により抗原抗体反応が抑制されることをいう。
PM82 問題
B 型肝炎ウイルスワクチンの効果を判定する検査はどれか。
- HBc 抗体
- HBe 抗原
- HBe 抗体
- HBs 抗原
- HBs 抗体
解答と解説
解答:5
- 中和抗体でないため、ワクチンの効果判定に適さない。
- 中和抗体でないため、ワクチンの効果判定に適さない。
- 中和抗体でないため、ワクチンの効果判定に適さない。
- 中和抗体でないため、ワクチンの効果判定に適さない。
- 中和抗体のため、ワクチンの効果判定に適する。
PM83 問題
肝細胞癌の腫瘍マーカーはどれか。2つ選べ。
- PSA
- CEA
- AFP
- CA19-9
- PIVKA-Ⅱ
解答と解説
解答:3,5
- 前立腺癌の腫瘍マーカーである。
- 大腸癌の腫瘍マーカーである。
- 肝細胞癌の腫瘍マーカーである。
- 膵癌の腫瘍マーカーである。
- 肝細胞癌の腫瘍マーカーである。
PM84 問題
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の標的分子はどれか。
- CD1
- CD4
- CD8
- CD20
- CD34
解答と解説
解答:2
- HIVはCD4陽性T細胞とマクロファージに感染する。
PM85 問題
橋本病でみられる自己抗体はどれか。
- 抗 CCP 抗体
- 抗基底膜抗体
- 抗リン脂質抗体
- 抗ミトコンドリア抗体
- 抗サイログロブリン抗体
解答と解説
解答:5
- 関節リウマチでみられる自己抗体である。
- グッドパスチャー症候群でみられる自己抗体である。
- 抗リン脂質抗体症候群でみられる自己抗体である。
- 原発性胆汁性肝硬変でみられる自己抗体である。
- 橋本病でみられる自己抗体である。
PM86 問題
血清補体価(CH50)の測定で用いられる反応はどれか。
- 中和反応
- 沈降反応
- 溶解反応
- 赤血球凝集抑制反応
- ラテックス凝集反応
解答と解説
解答:3
- CH50の50とは、50%溶血単位として表されることを意味する。Mayer法にて測定される。
PM87 問題
タイプ・アンド・スクリーンで正しいのはどれか。
- 術前に検査は行わず検体のみ採取しておく。
- 患者の血液型検査だけを術前に済ませておく。
- 患者の血液型と不規則抗体の検査を術前に済ませておく。
- 患者に使用予定の在庫血液との交差適合試験を術前に済ませておく。
- すべての在庫血液との交差適合試験を術前に済ませておく。
解答と解説
解答:3
- 術前に検査が必要である。
- 不規則抗体検査も行う必要がある。
- 輸血が必要となったときに行う。
- 輸血が必要となったときに行う。
PM88 問題
カラム法による血液型検査の結果(別冊No. 15)を別に示す。判定として正しいのはどれか。

- オモテ検査AB 型、ウラ検査 AB 型、Rh 陽性
- オモテ検査 AB 型、ウラ検査 O 型、Rh 陰性
- オモテ検査 O 型、ウラ検査 AB 型、Rh 陰性
- オモテ検査 O 型、ウラ検査 O 型、Rh 陰性
- オモテ検査 O 型、ウラ検査 O 型、Rh 陽性
解答と解説
解答:3
- 画像ではオモテ検査とウラ検査ともに凝集がみられない。
PM89 問題
貯血式自己血輸血で正しいのはどれか。
- 同種免疫を防止できる。
- 緊急手術時で適応となる。
- 取り違え輸血を防止できる。
- 保管管理体制が不要である。
- 家族血を代用することができる。
解答と解説
解答:1
- ヒトとヒト間での免疫のことを同種免疫という。
- 待機的手術で適応となる。
- リスクとして、取り違えなどによる他人血の輸血の可能性がある。
- 自己血管理体制時の問題である。
- 家族血でも血液型が異なるため代用することはできない。
出典:厚生労働省ホームページ 第63回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp170425-07.html

