
maimai
このブログを運営しているmaimaiと申します。
一緒に合格に向けて頑張りましょう!!
こちらでは、平成28年(2016年)に実施された
第62回 臨床検査技師国家試験 PM79〜89 臨床免疫学
の解答と解説を掲載しております。
PM79 問題
免疫担当細胞について正しいのはどれか。
- NK 細胞は CD8 陽性である。
- Th1 細胞は抗体産生を促進する。
- Treg 細胞は免疫応答を促進する。
- Th2 細胞は細胞性免疫を促進する。
- キラー T 細胞は MHC クラスⅠ発現細胞を殺傷する。
解答と解説
解答:5
- CD56が陽性である。
- マクロファージの殺菌能を亢進させる。抗体産生促進はTh2細胞の働きである。
- 免疫応答を抑制する。
- 液性免疫を促進する。細胞性免疫の促進はTh1細胞の働きである。
PM80 問題
次の模式図において IgG 濃度の変化を示すのはどれか。

- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
解答と解説
解答:1
- IgGの濃度変化である。
- IgMの濃度変化である。
- IgAの濃度変化である。
PM81 問題
散乱光を測定するのはどれか。
- 免疫比濁法
- 免疫比ろう法
- 蛍光免疫測定法
- 酵素免疫測定法
- 化学発光免疫測定法
解答と解説
解答:2
- 透過光を測定する。
- 散乱光を測定する。
- 発行量を測定を測定する。
- 発行量を測定を測定する。
- 発行量を測定を測定する。
PM82 問題
梅毒血清反応が STS 陽性かつ TPPA 陰性の場合に考えられるのはどれか。2つ選べ。
- 梅毒感染初期
- 梅毒感染後期
- 梅毒治療後
- 非常に古い梅毒
- 生物学的偽陽性
解答と解説
解答:1,5
- STS法はTP抗原法より早期に陽性となる。
- どちらも陽性となる。
- どちらも陽性となるが、STS法は次第に陰性化し、TP抗原法は終生陽性となる。
- STS法陰性、TP抗原法陽性となる。
- SLEや抗リン脂質抗体症候群などで偽陽性となりやすい。
PM83 問題
X 連鎖無 γ-グロブリン血症患者の末梢血で数が極めて少ないのはどれか。
- 単 球
- 好中球
- T 細胞
- B 細胞
- NK 細胞
解答と解説
解答:4
- B細胞の分化障害がみられ、γグロブリンが異常に低値である疾患である。
PM84 問題
間接蛍光抗体法による抗核抗体検査の核材として主に用いられるのはどれか。
- Hela 細胞
- A549 細胞
- HEp-2 細胞
- ラット肝細胞
- ウサギ胸腺細胞
解答と解説
解答:3
- ヒト子宮頸癌細胞である。
- ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞である。
- ヒト喉頭癌上皮細胞で核材として用いられる。
- 肝細胞培養で用いられる。
- ヒト胸腺細胞免疫グロブリンの作製に使用される。
PM85 問題
検査材料の取扱いで正しいのはどれか。
- 血清補体価(CH₅₀)測定用の血清は4℃で保存する。
- 寒冷凝集反応用の血液は血清分離まで 37 ℃に保つ。
- 免疫電気泳動用の血清は56℃、30分処理して使用する。
- 直接クームス試験用の血液は検査直前まで4℃で保存する。
- ウイルス中和試験用の血清はアジ化ナトリウムを加えて保存する。
解答と解説
解答:2
- コールドアクチベーションによりCH50が偽低値となるため、4℃で保存してはいけない。
- 低温で赤血球に感作し、そのまま血清分離すると血清中の寒冷凝集素は減っているため37℃での血清分離が必要である。
- 蛋白が熱変性してしまうため不適切である。
- 寒冷凝集素が感作してしまうため、偽陽性の原因となる。
- 反応系に影響を与えるため不適切である。
PM86 問題
免疫電気泳動像(別冊No. 12)を別に示す。矢印が示す沈降線に相当するのはどれか。ただし、泳動像上部は写真、下部は沈降線の模式図を示している。

- IgA
- IgM
- トランスフェリン
- トランスサイレチン
- α1 -アンチトリプシン
解答と解説
解答:3
- γ分画に沈降線が出現する。
- γ分画に沈降線が出現する。
- β分画に沈降線が出現する。
- アルブミン分画に沈降線が出現する。
- α1分画に沈降線が出現する。
PM87 問題
試験管法による ABO 血液型検査の判定の遠心条件で正しいのはどれか。
- 1,400 rpm、15 秒
- 2,400 rpm、30 秒
- 2,400 rpm、60 秒
- 3,400 rpm、15 秒
- 3,400 rpm、30 秒
解答と解説
解答:4
PM88 問題
間接抗グロブリン試験の IgG 感作血球による確認試験で凝集を認めなかった。解釈として正しいのはどれか。
- 正しい反応
- 加温操作が不十分
- 洗浄操作が不十分
- 被検血清の入れ忘れ
- IgG 型不規則抗体の存在
解答と解説
解答:3
- IgG 感作血球による確認試験では必ず凝集が起こることで、正しい検査が行われたとされる。
- 洗浄不足により残存するグロブリンなどにクームス血清が反応し中和されるため、偽陰性反応の原因となる。
- クームス血清が入っていれば凝集が起こる。
- クームス血清を投入した時点で凝集が起こる。
PM89 問題
自己血輸血で誤っているのはどれか。
- 同種血の節約ができる。
- 同種免疫の防止ができる。
- 輸血後感染症の防止ができる。
- 輸血後 GVHD の防止ができる。
- 血液バッグの取り違えを防止できる。
解答と解説
解答:5
- 同じヒト同士での輸血を同種輸血という。
- 輸血製剤中の汚染菌による感染を防止できる。
- 輸血後GVHDとは輸血製剤中(レシピエント)のリンパ球が患者組織を破壊する致死的副作用である。
- 取り違えによる他人血の輸血の可能性がある。
出典:厚生労働省ホームページ 第62回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp160411-05.html