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こちらでは、平成27年(2015年)に実施された
第61回 臨床検査技師国家試験 PM60〜67 臨床血液学
の解答と解説を掲載しております。
PM60 問題
自動血球計数器法で赤血球数偽低値、MCV 偽高値、MCHC 偽高値となるのはどれか。
- 高血糖
- 脂質異常症
- 白血球増加症
- 寒冷凝集素症
- 高ビリルビン血症
解答と解説
解答:4
- 偽高値の原因となる。
- 偽高値の原因となる。
- 偽高値の原因となる。
- 血球が凝集することでMCVとMCHCが高値となり、赤血球数が偽低値となる。
- 偽高値の原因となる。
PM61 問題
赤血球沈降速度で正しいのはどれか。
- DIC では促進する。
- 赤血球増加症では促進する。
- 活動性の結核では促進する。
- 原発性マクログロブリン血症では遅延する。
- 急性炎症の回復期では CRP より早く正常化する。
解答と解説
解答:3
- フィブリノゲンが消費されているため、遅延する。
- 陰性荷電の赤血球が増加するため、遅延する。
- 炎症性疾患ではフィブリノゲンが増加するため、促進する。
- 免疫グロブリンが増加するため、促進する。
- 上昇も低下も赤沈よりもCRPが先行して正常化する。
PM62 問題
疾患・薬剤の服用と低下する血小板凝集能の組合せで正しいのはどれか。
- 血小板無力症ーーーーーーーーリストセチン凝集能
- アスピリン服用ーーーーーーーADP 二次凝集能
- ワルファリン服用ーーーーーーADP 一次凝集能
- von Willebrand 病ーーーーーーエピネフリン凝集能
- Bernard-Soulier 症候群ーーーコラーゲン凝集能
解答と解説
解答:2
- ADPとコラーゲン凝集能が低下する。
- ADP二次とコラーゲン凝集能が低下する。
- 二次止血に異常がみられる。一次止血異常はみられない。
- リストセチン凝集能が低下する。
- リストセチン凝集能が低下する。
PM63 問題
血液検査で赤血球 300 万/μL、Hb 6.0 g/dL、Ht 21%であった。可能性があるのはどれか。 2 つ選べ。
- 悪性貧血
- 再生不良性貧血
- サラセミア
- 自己免疫性溶血性貧血
- 鉄欠乏性貧血
解答と解説
解答:3,5
- 大球性貧血である。
- 正球性正色素性貧血である。
- MCV = 21 / 300 ×1000 = 70fLのため、MCVが低値で小球性低色素性貧血が考えられる。
- 正球性正色素性貧血である。
- 小球性低色素性貧血である。
PM64 問題
末梢血塗抹 Wright-Giemsa 染色標本(別冊 No. 11)を別に示す。考えられるのはどれか。

- 遺伝性球状赤血球症
- 骨髄線維症
- 腎性貧血
- 赤芽球癆
- 鉄芽球性貧血
解答と解説
解答:2
- 球状赤血球がみられる。
- 画像では、尾を引いたような形態の赤血球がみられる。これは涙滴赤血球で骨髄に異常があり、脱核時に変形してしまうことで出現する。
- 特徴的な形態異常はない。
- 赤芽球の著減がみられる。
- 環状鉄芽球がみられる。
PM65 問題
慢性骨髄性白血病の慢性期にみられるのはどれか。 2つ選べ。
- 骨髄の芽球比率 20%
- 末梢血の好塩基球増加
- PML/RARA 融合遺伝子
- 9 番と 22 番染色体の相互転座
- 好中球アルカリホスファターゼ陽性指数上昇
解答と解説
解答:2,4
- 慢性期には骨髄と血液ともに芽球比率は10%未満である。
- 骨髄が過形成のため、通常極少数みられるのみ好塩基球が末梢血で増加してみられる。
- PML/RARAは急性前骨髄急性白血病でみられる。慢性骨髄性白血病はBCR-ABL1キメラ遺伝子でみられる。
- この転座により形成される染色体をフィラデルフィア染色体という。
- 異常低値となる。
PM66 問題
末梢血塗抹 Wright-Giemsa 染色標本(別冊 No. 12)を別に示す。細胞表面マーカーでは CD5、CD19 及び CD20 は陽性で CD10 は陰性であった。考えられるのはどれか。

- 急性単球性白血病
- 急性リンパ性白血病
- 成人 T 細胞白血病
- 慢性骨髄単球性白血病
- 慢性リンパ性白血病
解答と解説
解答:5
- 単球系の腫瘍細胞が増加してみられる。
- 急性ではCD10は陽性となる。
- CD25が陽性となる。
- 骨髄球系と単球系が陽性となる。
- CD5、CD19 及び CD20 は陽性の場合は腫瘍性B細胞である。合わせてCD10が陽性の場合は急性、陰性の場合は慢性となる。
PM67 問題
DIC で低下するのはどれか。 2 つ選べ。
- FDP
- 血小板数
- フィブリノゲン
- 可溶性フィブリンモノマー複合体〈SFMC〉
- トロンビン-アンチトロンビン複合体〈TAT〉
解答と解説
解答:2,3
- 血栓傾向のため線溶が亢進し増加する。
- 消費されるため低下する。
- 消費されるため低下する。
- 凝固が亢進すると増加し、凝固亢進マーカーとなる。
- 凝固が亢進すると増加し、凝固亢進マーカーとなる。
出典:厚生労働省ホームページ 第61回臨床検査技師国家試験問題および正答について
(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp230524-07b_01.pdf)