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こちらでは、平成27年(2015年)に実施された
第61回 臨床検査技師国家試験 AM59〜67 臨床血液学
の解答と解説を掲載しております。
AM59 問題
脾臓の機能として誤っているのはどれか。
- 髄外造血
- 血球の貯留
- 細菌の処理
- 老化血球の処理
- T 細胞の分化誘導
解答と解説
解答:5
- 骨髄が無効造血となった場合に代償として脾臓や肝臓で造血が行われることを髄外造血という。
- 血球を豊富に貯留している。
- 網内系が存在し、マクロファージなどにより、細菌が処理される。
- 類洞に存在するマクロファージが行っている。
- 胸腺の機能である。
AM60 問題
凝固を抑制するのはどれか。
- プロテイン C
- プロトロンビン
- プラスミノゲン
- a1-アンチトリプシン
- プラスミノゲンアクチベータインヒビター
解答と解説
解答:1
- プロテイン C はプロテイン S の補助を受けてⅤa とⅧa を抑制することで抗血栓性に働く。
- 凝固因子であるため、血栓形成に働く。
- 線溶因子である。
- サーファクタントであり凝固系とは無関係である。
- 線溶因子である。
AM61 問題
疾患と診断に用いる細胞表面マーカーの組合せで正しいのはどれか。
- Hodgkinリンパ腫ーーーーーーーーーーーCD4
- 後天性免疫不全症候群ーーーーーーーーーCD25
- 成人 T 細胞白血病ーーーーーーーーーーCD34
- 急性前骨髄球性白血病ーーーーーーーーーCD41
- 発作性夜間ヘモグロビン尿症ーーーーーーCD55
解答と解説
解答:5
- CD30などのマーカーが用いられる。
- CD4がマーカーとして用いられる。
- CD25がマーカーとして用いられる。
- CD13とCD33がマーカーとして用いられる。
- 他にCD59もマーカーとして用いられる。
AM62 問題
ビタミン B12 欠乏性貧血の骨髄塗抹標本で特徴的な所見はどれか。
- 裸核像の増加
- 細胞質の空胞形成
- 環状鉄芽球の出現
- 核と細胞質の成熟乖離
- 核と細胞質の面積比〈N/C 比〉上昇
解答と解説
解答:4
- 特徴的ではない。
- 特徴的ではない。
- 鉄芽球性貧血の所見である。
- 細胞質は正常の成熟過程を示すが核の成熟が遅れることをいう。
- 白血病でみられる。
AM63 問題
線溶亢進で上昇するのはどれか。 2 つ選べ。
- FDP
- プロテイン S
- 凝固第XⅢ因子
- トロンビン-アンチトロンビン複合体〈TAT〉
- プラスミン-プラスミンインヒビター複合体〈PIC〉
解答と解説
解答:1,5
- フィブリン分解産物といい、二次腺溶で形成される。
- 凝固抑制物質である。
- 凝固因子である。
- 凝固亢進マーカーである。
- 腺溶亢進時にこの複合体が形成される。
AM64 問題
溶血性貧血で低下するのはどれか。
- LD
- 間接ビリルビン
- ハプトグロビン
- フェリチン
- 網赤血球数
解答と解説
解答:3
- 溶血による赤血球からの溶出で増加する。
- ヘモグロビン代謝が亢進するため、間接ビリルビンは上昇する。
- ヘモグロビン輸送蛋白で、ヘモグロビンを再利用するために骨髄へ運搬を行うことで、消費性に低下する。
- 赤血球から鉄が遊出することで貯蔵鉄が増加する。
- 赤血球を補充するために骨髄が過形成となるため網赤血球は増加する。
AM65 問題
好中球に中毒性顆粒がみられるのはどれか。
- アルコール性肝硬変
- 関節リウマチ
- 前立腺癌
- 敗血症
- 慢性骨髄性白血病
解答と解説
解答:4
- 口唇状赤血球がみられる。
- 標的赤血球などがみられる。
- この顆粒はリボソームの残留物である。
- 白血病裂孔の欠如などの所見がある。
AM66 問題
骨髄塗抹 Wright-Giemsa 染色標本(別冊 No. 11)を別に示す。考えられるのはどれか。

- 赤白血病
- 多発性骨髄腫
- Hodgkin リンパ腫
- 骨髄異形成症候群
- 急性巨核芽球性白血病
解答と解説
解答:2
- 白血病細胞と赤芽球が混在してみられる。
- 画像では、細胞質内空胞、偏在する核、核周明庭、核腫大、単一な細胞がみられるため、形質細胞由来の腫瘍である多発性骨髄腫が考えられる。
- RS細胞やホジキン細胞などがみられる。
- 有核赤血球、デーレ小体、過分葉好中球、偽ペルゲル・フエ核異常などがみられる。
- 巨核芽球がみられる。
AM67 問題
von Willebrand 病と血友病 A の鑑別に有用なのはどれか。 2 つ選べ。
- 活性化部分トロンボプラスチン時間
- リストセチンコファクター活性
- プロトロンビン時間
- 第Ⅷ因子活性
- 出血時間
解答と解説
解答:5
- von Willebrand因子は第Ⅷ因子の安定化因子であるためこれが欠損するvon Willebrand 病でも APTT が延長する。
- von Willebrand 病のみが異常となるため鑑別に有用である。
- どちらも正常である。
- どちらも低下する。
- von Willebrand 病のみ延長するため鑑別に有用である。
出典:厚生労働省ホームページ 第61回臨床検査技師国家試験問題および正答について
(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp230524-07b_01.pdf)