AM68〜78 臨床微生物学

第61回 臨床検査技師 国家試験 解説集
2025/4/30
maimai
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こちらでは、平成27年（2015年）に実施された

第61回 臨床検査技師国家試験 AM68〜78 臨床微生物学

の解答と解説を掲載しております。

AM68 問題

インフルエンザウイルスに認められるのはどれか。 2 つ選べ。

  1. RNA
  2. カプシド
  3. リボソーム
  4. ミトコンドリア
  5. ペプチドグリカン層
解答と解説

解答：1,2

  1. RNAウイルスである。
  2. カプシドとは蛋白質の殻のことである。
  3. ウイルスは細胞小器官をもたない。
  4. ウイルスは細胞小器官をもたない。
  5. ウイルスは持たない。細菌の細胞壁の構成成分である。

AM69 問題

菌種と検査法の組合せで正しいのはどれか。

  1. Aspergillus fumigatusーーーーーーー墨汁法
  2. Clostridium tetaniーーーーーーーーHiss法
  3. Corynebacterium diphtheriaeーーーーLeifson 法
  4. Mycobacterium kansasiiーーーーーーオーラミン法
  5. Nocardia asteroidesーーーーーーーーWirtz 法
解答と解説

解答：4

  1. 糸状菌にはラクトフェノールコットン染色を行う。墨汁法はクリプトコッカスの染色法である。
  2. 芽胞をもつためメラー法、ウィルツ法が適する。
  3. 異染小体染色が適する。
  4. オーラミン法は蛍光染色である。他にチールネルゼン染色を行う。
  5. Kynyoun染色が適する。

AM70 問題

分離培地の成分を表に示す。
ペプトン 10 g
ブドウ糖 40 g
クロラムフェニコール 0.05 g
寒　天 15 g
精製水 1,000 mL
この培地を用いるのはどれか。

  1. Candida albicans
  2. Legionella pneumophila
  3. Mycobacterium tuberculosis
  4. Streptococcus pyogenes
  5. Vibrio parahaemolyticus
解答と解説

解答：1

  1. サブロー寒天培地の組成である。
  2. B-CYEα培地が分離に用いられる。
  3. 小川培地が分離に用いられる。
  4. ヒツジ血液寒天培地が分離に用いられる。
  5. TCBS寒天培地が分離に用いられる。

AM71 問題

β-ラクタム系抗菌薬に対する細菌の耐性機序として正しいのはどれか。 2 つ選べ。

  1. リボソームの変化
  2. 核酸合成酵素の変化
  3. リン酸化による不活化
  4. 加水分解酵素による不活化
  5. ペニシリン結合蛋白〈PBP〉の変化
解答と解説

解答：4,5

  1. アミノグリコシド系の耐性機序である。
  2. キノロン系の耐性機序である。
  3. アミノグリコシド系の耐性機序である。
  4.  β-ラクタム系の耐性機序である。
  5.  β-ラクタム系の耐性機序である。

AM72 問題

結核菌について正しいのはどれか。

  1. 芽胞を形成する。
  2. 人工培地に発育しない。
  3. 塩酸アルコールで脱色されない。
  4. 土壤や環境水に広く分布している。
  5. ワクチン株として Mycobacterium tuberculosis を用いる。
解答と解説

解答：3

  1. 芽胞は形成しない。
  2. 小川培地に発育する。
  3. この特性を抗酸性という。
  4. 通性細胞内寄生性であるため、生きた細胞に寄生している。
  5. Mycobacterium bovis(ウシ型結核菌)が用いられる。

次の文を読み 73、74 の問いに答えよ。
膿の Gram 染色標本(別冊 No. 12)を別に示す。

AM73 問題

起因菌と考えられるのはどれか。

  1. Bacillus cereus
  2. Candida parapsilosis
  3. Corynebacterium diphtheriae
  4. Nocardia asteroides
  5. Staphylococcus aureus
解答と解説

解答：5

  1. 有芽胞菌であるため、菌体の周りに芽胞が観察される。
  2. 仮性菌糸が観察される。
  3. グラム陽性桿菌である。
  4. グラム陽性抗酸性の桿菌である。
  5. 画像ではグラム陽性双球菌がみられ、化膿性疾患の主な原因菌である黄色ブドウ球菌が考えられる。

AM74 問題

この起因菌の分離培地はどれか。

  1. 小川培地
  2. 荒川培地
  3. CCFA 培地
  4. Sabouraud 培地
  5. マンニット食塩培地
解答と解説

解答：5

  1. 結核菌の分離培地である。
  2. ジフテリア菌の分離培地である。
  3. クロストリジウムの分離培地である。
  4. 真菌の分離培地である。
  5. 黄色ブドウ球菌の分離培地である。

AM75 問題

Salmonella enterica と Citrobacter freundii を鑑別する性状はどれか。

  1. VP 反応
  2. 硫化水素産生
  3. インドール産生
  4. 乳糖・白糖分解能
  5. リジン脱炭酸反応
解答と解説

解答：5

  1. ともに陰性であるため鑑別に用いられない。
  2. ともに陽性であるため鑑別に用いられない。
  3. Salmonellaは陰性、Citrobacterは陰性または弱陽性であるため鑑別に用いられない。
  4. ともに陽性であるため鑑別に用いられない。
  5. Salmonellaは陽性、Citrobacterは陰性であるため、鑑別に有用である。

AM76 問題

真菌とその性質の組合せで正しいのはどれか。 2 つ選べ。

  1. Aspergillus fumigatusーーーーーー 大分生子
  2. Candida albicansーーーーーーーー 厚膜胞子
  3. Candida glabrataーーーーーーーー 仮性菌糸
  4. Sporothrix schenckiiーーーーーーー二形性真菌
  5. Trichophyton rubrumーーーーーーー莢　膜
解答と解説

解答：2,4

  1. 頂嚢、分生子柄などを形成する。
  2. 他に仮性菌糸などを形成する。
  3. 仮性菌糸はアルビカンスのみが形成する。
  4. 酵母と糸状菌の両方の形態をとることができる真菌をいう。
  5. 小分生子と棍棒状の大分生子を形成する。

AM77 問題

HIV とその感染症について正しいのはどれか。

  1. DNA ウイルスである。
  2. CD4 陽性 T 細胞に感染する。
  3. HIV1 から HIV6 に分類される。
  4. 感染後無症候期が続きウインドウ期に移行する。
  5. 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉を発症すると血中ウイルス量は減少する。
解答と解説

解答：2

  1. RNAウイルスである。
  2. 他にマクロファージにも感染する。感染細胞を破壊することで免疫不全症を引き起こす。
  4. 感染機会があってから抗体検査が陽性となるまでの期間をウインドウ期という。
  5. 血中ウイルス量は増加していく。

AM78 問題

尿中抗原検査が行われているのはどれか。

  1. Clostridium difficile
  2. Legionella pneumophila
  3. Mycobacterium tuberculosis
  4. Mycoplasma pneumoniae
  5. Neisseria meningitidis
解答と解説

解答：2

  1. 行われていない。
  2. 他に肺炎球菌に対しても尿中抗原検査が行われている。
  3. 行われていない。
  4. 行われていない。
  5. 行われていない。

出典：厚生労働省ホームページ　第61回臨床検査技師国家試験問題および正答について
（https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp230524-07b_01.pdf）

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