PM59〜67 臨床血液学

第62回 臨床検査技師 国家試験 解説集
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こちらでは、平成28年(2016年)に実施された

第62回 臨床検査技師国家試験 PM59〜67 臨床血液学

の解答と解説を掲載しております。

PM59 問題

鉄代謝で正しいのはどれか。

  1. 体内総鉄量は約8g である。
  2. ヘムは3価の鉄原子をもつ。
  3. フェリチンは貯蔵鉄である。
  4. 体内鉄の約 25%は組織鉄として存在する。
  5. 1日に吸収される鉄量は約 0.1 mg である。
解答と解説

解答:3

  1. 総鉄量は3~4gである。
  2. 2価の鉄原子を含んでいる。
  3. 25%は貯蔵鉄である。組織鉄はミオグロビン鉄ともいい、約4%である。
  4. 1日の吸収量は約1mgである。

PM60 問題

内因系凝固反応の開始に関わる因子はどれか。

  1. 組織因子
  2. 第Ⅹ因子
  3. 第Ⅻ因子
  4. 第XⅢ因子
  5. プロトロンビン
解答と解説

解答:3

  1. 外因系凝固の開始に関わる。
  2. 共通系に関わる。
  3. 内因系凝固の開始に関わる。
  4. 共通系に関わる。
  5. 共通系に関わる。

PM61 問題

血漿を4℃で保存した場合、活性低下が最も著しいのはどれか。

  1. フィブリノゲン
  2. プロトロンビン
  3. 第Ⅷ因子
  4. 第Ⅹ因子
  5. 第XⅢ因子
解答と解説

解答:3

  1. 著しい活性低下はみられない。
  2. 著しい活性低下はみられない。
  3. コールドアクチベーションにより第Ⅶ因子が活性化することで消費され活性が低下する。他にvWFや第Ⅷ因子活性の損失などがみられる。
  4. 著しい活性低下はみられない。
  5. 著しい活性低下はみられない。

PM62 問題

Brecher-Cronkite 法による血小板数算定で正しいのはどれか。

  1. 倍率 100 倍で鏡検する。
  2. 暗視野顕微鏡を使用する。
  3. EDTA-2K 加血液を用いる。
  4. 14%硫酸マグネシウム溶液で希釈する。
  5. 血球計算板に流し込み1分後に算定する。
解答と解説

解答:3

  1. 倍率は400倍で鏡検する。
  2. 位相差顕微鏡または光学顕微鏡を使用する。
  3. 抗凝固剤を用いないと血餅となってしまうため、必須である。
  4. 1%のシュウ酸アンモニウム液で希釈を行う。
  5. 10〜15分静置後に算定する。

PM63 問題

末梢血の Wright-Giemsa 染色標本(別冊No. 9)を別に示す。矢印に示す細胞が出現し、リストセチン惹起血小板凝集能が欠如するのはどれか。

  1. von Willebrand 病
  2. Bernard-Soulier 症候群
  3. 血小板無力症
  4. アスピリン服用
  5. ストレージ・プール病
解答と解説

解答:2

  1. 粘着能異常であるが、巨大血小板はみられない。
  2. リストセチン惹起血小板凝集能では粘着能が評価できる。画像では赤血球と同程度の大きさの血小板がみられ、巨大血小板を考える。粘着能異常を示す。
  3. 凝集能異常のため、リストセチン惹起血小板凝集能は正常である。
  4. 放出能異常のため、リストセチン惹起血小板凝集能は正常である。
  5. 放出能異常のため、リストセチン惹起血小板凝集能は正常である。

PM64 問題

発作性夜間ヘモグロビン尿症の検査所見で正しいのはどれか。

  1. 血清 LD が低下する。
  2. 白血球数が増加する。
  3. 血清ハプトグロビンが増加する。
  4. 赤血球膜表面 CD59 が欠損している。
  5. 好中球アルカリホスファターゼ(NAP)スコアが上昇する。
解答と解説

解答:4

  1. 溶血により赤血球からLDが溶出するため増加する。
  2. 汎血球減少症である。
  3. 溶血により溶出するヘモグロビンを骨髄へ輸送するため、消費性に低下する。
  4. CD59とCD55の欠損がマーカーとして検査される。
  5. 低下する。

PM65 問題

伝染性単核症で増加する異型リンパ球(反応性リンパ球)が属するのはどれか。

  1. B 細胞
  2. T 細胞
  3. NK 細胞
  4. 形質細胞
  5. リンパ芽球
解答と解説

解答:2

  1. EBウィルスが感染する標的細胞はB細胞である。
  2. 感染したB細胞が細胞傷害性T細胞を異型化する。

PM66 問題

真性赤血球増加症でみられるのはどれか。

  1. BCR-ABL1 融合遺伝子
  2. JAK2 変異
  3. MCV 高値
  4. 白血球 Döhle 様小体
  5. 破砕赤血球
解答と解説

解答:2

  1. 慢性骨髄性白血病の融合遺伝子である。
  2. 他の慢性骨髄性白血病、本態性血小板血症などの骨髄増殖性疾患でも共通してみられる。
  3. MCVは正常である。
  4. 骨髄異形成症候群などの所見である。
  5. 細小血管障害性溶血性貧血(DIC、HUS、TTP)でみられる。

PM67 問題

Helicobacter pylori 感染が関連するのはどれか。

  1. 播種性血管内凝固
  2. 溶血性尿毒症症候群
  3. 抗リン脂質抗体症候群
  4. 血栓性血小板減少性紫斑病
  5. 特発性血小板減少性紫斑病
解答と解説

解答:5

  1. 敗血症や急性前骨髄急性白血病で合併しやすい。
  2. 大腸菌が起因菌となる。
  3. 抗β₂-GPI抗体が産生される自己免疫疾患である。
  4. ADMTS13活性低下が原因である。
  5. 抗GPⅡb/Ⅲa抗体が産生される自己免疫疾患であるが、Helicobacter pylori陽性例が多く。関連性が指摘されている。

出典:厚生労働省ホームページ 第62回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp160411-05.html

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