AM59〜67 臨床血液学

第62回 臨床検査技師 国家試験 解説集
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こちらでは、平成28年(2016年)に実施された

第62回 臨床検査技師国家試験 AM59〜67 臨床血液学

の解答と解説を掲載しております。

AM59 問題

胸腺で行われるのはどれか。

  1. 単球の分化
  2. 好中球の産生
  3. T リンパ球の成熟
  4. B リンパ球の成熟
  5. 老化赤血球の処理
解答と解説

解答:3

  1. 骨髄で行われる。
  2. 骨髄で行われる。
  3. 胸腺で行われる。
  4. 骨髄で行われる。
  5. 脾臓などの網内系で行われる。

AM60 問題

骨髄穿刺液の Wright-Giemsa 染色標本(別冊No. 9)を別に示す。矢印で示す細胞に働く造血因子はどれか。

  1. エリスロポエチン(EPO)
  2. トロンボポエチン(TPO)
  3. インターロイキン-2(IL-2)
  4. 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)
  5. マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)
解答と解説

解答:2

  1. 赤芽球系の造血因子である。
  2. 画像では顆粒球よりも大きな泡沫状の細胞質と巨大な核をもつ細胞がみられ、巨核球であることがわかる。血小板系の造血因子はトロンボポエチンである。
  3. T細胞系の造血因子である。
  4. 顆粒球系の造血因子である。
  5. 単球系の造血因子である。

AM61 問題

抗血栓性に作用するのはどれか。

  1. トロンビン
  2. トロンボモジュリン
  3. von Willebrand 因子
  4. β-トロンボグロブリン
  5. プラスミノゲンアクチベーター
解答と解説

解答:2

  1. 凝固因子のため凝固に働く。
  2. トロンビンに結合しプロテインCを活性化することで抗血栓性に働く。
  3. 血小板の粘着に関与し、凝固に働く。
  4. α顆粒に存在し分泌されると血管内皮に結合しプロスタグランジンの産生を抑制する。
  5. 線溶亢進に関与する。

AM62 問題

ビタミン K 依存性に産生されるのはどれか。

  1. 第Ⅷ因子
  2. 第Ⅺ因子
  3. プロテイン C
  4. フィブリノゲン
  5. アンチトロンビン
解答と解説

解答:3

  1. ビタミン K 依存に依存しない。
  2. ビタミン K 依存に依存しない。
  3. 他にプロテインS、Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、ⅩがビタミンK依存性凝固因子である。
  4. ビタミン K 依存に依存しない。
  5. ビタミン K 依存に依存しない。

AM63 問題

特殊染色と試薬の組合せで正しいのはどれか。

  1. 鉄染色――――――――――――1%過ヨウ素酸溶液
  2. PAS 染色―――――――――――2%塩酸溶液
  3. ペルオキシダーゼ染色 ―――――3%過酸化水素水
  4. 特異的エステラーゼ染色――――ナフトール AS-MX ホスフェート
  5. アルカリホスファターゼ染色――ナフトール AS-D クロロアセテート
解答と解説

解答:3

  1. フェロシアン化カリウム塩酸混合液を使用する。
  2. 1%過ヨウ素酸液やシッフ試薬を使用する。
  3. 過酸化水素はPODの基質である。
  4. αナフチルブチレートを用いる。
  5. ナフトールAS-MXホスフェートナトリウムを用いる。

AM64 問題

20 歳の男性。息切れを主訴に来院した。ヘモグロビン濃度 6.0 g/dL白血球数1,100/μL、血小板数 1.0 万/μL であった。骨髄穿刺液の Wright-Giemsa 染色標本の弱拡大像(別冊No. 10)を別に示す。考えられるのはどれか。

  1. 悪性貧血
  2. 骨髄異形成症候群
  3. 再生不良性貧血
  4. 赤芽球癆
  5. 溶血性貧血
解答と解説

解答:3

  1.  汎血球減少がみられるが骨髄は過形成となる。
  2. 汎血球減少がみられるが骨髄は過形成または正形成となる。
  3. 臨床所見から息切れ、末梢血汎血球減少がみられ、画像では、細胞数が極端に少なく骨髄低形成であることがわかる。これを無効造血という。
  4. 骨髄は正形成であるが赤芽球と網赤血球が著減する病態である。
  5. 網赤血球が増加し、骨髄の赤芽球は過形成となる。

AM65 問題

末梢血の Wright-Giemsa 染色標本(別冊No. 11)を別に示す。考えられるのはどれか。

  1. 敗血症
  2. Gaucher 病
  3. 骨髄線維症
  4. 本態性血小板血症
  5. 急性前骨髄球性白血病
解答と解説

解答:1

  1. 炎症性疾患などで好中球の顆粒が大きく強く染まる。これを中毒性顆粒という。
  2. 脂質蓄積病の一つでゴーシェ細胞がみられる。
  3. 骨髄の線維化で汎血球減少がみられる。
  4. 血小板の増加がみられる。
  5. 骨髄と末梢で小リンパ球が著増する。

AM66 問題

骨髄穿刺液の Wright-Giemsa 染色標本(別冊No. 12A)とペルオキシダーゼ染色標本(別冊No. 12B)を別に示す。考えられるのはどれか。

  1. 急性骨髄性白血病
  2. 急性リンパ性白血病
  3. 成人 T 細胞白血病
  4. 慢性骨髄性白血病
  5. 慢性リンパ性白血病
解答と解説

解答:1

  1. 画像では、POD陽性の単一の芽球の増加がみられる。
  2. POD陰性で、リンパ芽球がみられる。
  3. フラワー細胞がみられる。
  4. 各成熟段階の顆粒球が末梢血でみられるようになる。
  5. POD染色陰性で、各成熟段階のリンパ球がみられる。

AM67 問題

骨髄異形成症候群でみられるのはどれか。2つ選べ。

  1. Russell 小体
  2. Niemann-Pick 細胞
  3. Chédiak-Higashi 異常
  4. 偽 Pelger 異常
  5. 低顆粒性好中球
解答と解説

解答:4,5

  1. 多発性骨髄腫の骨髄標本でみられる。
  2. ニーマンピック病でみられる。
  3. チェディアック東症候群でみられる。
  4. 白血病や骨髄異形成症候群でみられる。
  5. 急性白血病や骨髄異形成症候群などの無効造血で起こる。

出典:厚生労働省ホームページ 第62回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp160411-05.html

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