AM68〜79 臨床微生物学

第62回 臨床検査技師 国家試験 解説集
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こちらでは、平成28年(2016年)に実施された

第62回 臨床検査技師国家試験 AM68〜79 臨床微生物学

の解答と解説を掲載しております。

AM68 問題

真菌に分類されているのはどれか。

  1. Actinomyces israelii
  2. Bifidobacterium dentium
  3. Mycobacterium avium
  4. Nocardia asteroides
  5. Pneumocystis jirovecii
解答と解説

解答:5

  1. 嫌気性グラム陽性無芽胞桿菌である。
  2. 嫌気性グラム陽性無芽胞桿菌である。
  3. 偏性好気性グラム陽性桿菌である。
  4. 偏性好気性グラム陽性桿菌である。
  5. 真菌に分類されている。

AM69 問題

喀痰の Gram 染色標本(別冊No. 13)を別に示す。矢印で示す部分で推定される菌種はどれか。

  1. Fusobacterium nucleatum
  2. Klebsiella pneumoniae
  3. Legionella pneumophila
  4. Mycobacterium tuberculosis
  5. Pseudomonas aeruginosa
解答と解説

解答:4

  1. 嫌気性グラム陰性桿菌である。
  2. 通性嫌気性菌グラム陰性桿菌である。
  3. 偏性好気性グラム陰性桿菌である。
  4. 画像ではグラム染色において、菌体がガラス片状に抜けてみえることから抗酸菌を考える。偏性好気性グラム陽性桿菌である。
  5. 偏性好気性グラム陰性桿菌である。

AM70 問題

嫌気性菌用分離培地として用いられるのはどれか。

  1. GC 寒天培地
  2. B-CYE 寒天培地
  3. Löffler(レフレル)培地
  4. 血液加ブルセラ寒天培地
  5. Sabouraud(サブロー)寒天培地
解答と解説

解答:4

  1. 淋菌の非選択培地である。
  2. レジオネラの選択培地である。
  3. ジフテリアの選択培地である。
  4. 嫌気性菌全般の非選択分離培地である。
  5. 真菌の培養に用いる最も一般的な培地である。

AM71 問題

細菌の遺伝物質について正しいのはどれか。

  1. 染色体は核膜内にある。
  2. プラスミドは一本鎖 RNA である。
  3. F プラスミドは薬剤耐性遺伝子である。
  4. R プラスミドは接合によって伝達される。
  5. 形質導入とはミトコンドリア DNA を介した現象である。
解答と解説

解答:4

  1. 細胞質に核様体として存在する。
  2. 2本鎖環状DNAである。
  3. 性決定遺伝子である。
  4. Rプラスミドとは薬剤耐性遺伝子である。
  5. バクテリオファージを介した現象である。

AM72 問題

血中薬物モニタリング(TDM)が必要な抗菌薬はどれか。

  1. セファゾリン
  2. ミノサイクリン
  3. エリスロマイシン
  4. バンコマイシン
  5. リネゾリド
解答と解説

解答:4

  1. セフェム系はTDMの対象ではない。
  2. テトラサイクリン系はTDMの対象ではない。
  3. マクロライド系はTDMの対象ではない。
  4. TDMが必要な抗菌薬はグリコペプチド系とアミノグリコシド系のみである。
  5. オキサゾリジノン系はTDMの対象ではない。

AM73 問題

結核と同じ感染経路別予防策が必要な疾患はどれか。

  1. 水 痘
  2. 梅 毒
  3. 風 疹
  4. コレラ
  5. デング熱
解答と解説

解答:1

  1. 結核、水痘、麻疹は空気感染するため、空気感染対策を行う。
  2. 標準予防策のみである。
  3. 飛沫感染予防策が行われる。
  4. 標準予防策のみである。
  5. 標準予防策のみである。

AM74 問題

長期入院患者が抗菌薬投与中に下痢を発症した。考えられる原因菌はどれか。

  1. Bacillus cereus
  2. Clostridium difficile
  3. Clostridium perfringens
  4. Salmonella Typhimurium
  5. Shigella sonnei
解答と解説

解答:2

  1. 抗菌薬関連下痢症との関連は低いとされる。
  2. このような下痢症を抗菌薬関連下痢症といい、Clostridium difficileによることが多い。菌交代現象を起こし偽膜性大腸炎となることもある。
  3. 抗菌薬関連下痢症との関連は低いとされる。
  4. 抗菌薬関連下痢症との関連は低いとされる。
  5. 抗菌薬関連下痢症との関連は低いとされる。

AM75 問題

Salmonella enterica subsp. enterica の serovar Typhi と serovar Paratyphi A の鑑別に有用な検査はどれか。

  1. 運動性テスト
  2. ONPG テスト
  3. インドールテスト
  4. クエン酸塩利用能
  5. リジン脱炭酸テスト
解答と解説

解答:5

  1. どちらも陰性で鑑別に有用ではない。
  2. どちらも陰性で鑑別に有用ではない。
  3. どちらも陰性で鑑別に有用ではない。
  4. どちらも陰性で鑑別に有用ではない。
  5. Paratyphi Aのみが陰性で、鑑別に有用である。

AM76 問題

皮膚糸状菌はどれか。

  1. Aspergillus fumigatus
  2. Histoplasma capsulatum
  3. Mucor ramosissimus
  4. Sporothrix schenckii
  5. Trichophyton rubrum
解答と解説

解答:5

  1. 糸状菌であるが皮膚糸状菌ではない。
  2. 糸状菌であるが皮膚糸状菌ではない。黒色真菌に分類される。
  3. 糸状菌であるが皮膚糸状菌ではない。
  4. 糸状菌であるが皮膚糸状菌ではない。二形性真菌に分類される。
  5. 皮膚糸状菌に分類される。

AM77 問題

分離培養にチョコレート寒天培地の使用が必要な検体はどれか。2つ選べ。

  1. 髄 液
  2. 喀 痰
  3. 胆 汁
  4. 糞 便
  5. 中間尿
解答と解説

解答:1,2

  1. チョコレート寒天培地は血液寒天培地に発育できない栄養要求性が厳しい菌が検出される検体に使用される。

AM78 問題

尿中抗原検査が行われているのはどれか。2つ選べ。

  1. Legionella pneumophila
  2. Mycobacterium tuberculosis
  3. Mycoplasma pneumoniae
  4. Neisseria meningitidis
  5. Streptococcus pneumoniae
解答と解説

解答:1,5

  1. 尿中抗原検査が行われている。
  2. 尿中抗原検査は行われていない。
  3. 尿中抗原検査は行われていない。
  4. 尿中抗原検査は行われていない。
  5. 尿中抗原検査が行われている。

AM79 問題

細菌に対する自然免疫で誤っているのはどれか。

  1. Toll 様受容体が細菌を認識する。
  2. 好中球は血中から炎症箇所に移動する。
  3. リゾチームは鼻の粘膜でのバリアーとなる。
  4. 補体活性化経路のうち古典経路が主として働く。
  5. 樹状細胞は抗原提示により獲得免疫への橋渡しを行う。
解答と解説

解答:4

  1. この現象を運動能と接着能という。
  2. 古典経路は獲得免疫で働く。副経路とレクチン経路が自然免疫で働く。
  3. 樹状細胞、B細胞、マクロファージの3つが抗原提示細胞である。

出典:厚生労働省ホームページ 第62回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp160411-05.html

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