PM1〜10 臨床検査総論

第62回 臨床検査技師 国家試験 解説集
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こちらでは、平成28年(2016年)に実施された

第62回 臨床検査技師国家試験 PM1〜10 臨床検査総論

の解答と解説を掲載しております。

PM1 問題

臥位に比べて座位で採血したときに高値となる血清成分はどれか。2つ選べ。

  1. 尿 酸
  2. 総蛋白
  3. カリウム
  4. カルシウム
  5. クレアチニン
解答と解説

解答:2,4

  1. 差がみられない。
  2. 水分の濃縮による血管壁を透過しない高分子のものは上昇し、低分子のものは差がみられない。
  3. 差がみられない。
  4. アルブミンと結合しているため高分子となっている。
  5. 差がみられない。

PM2 問題

測定法の正確性の評価法でないのはどれか。

  1. 直線性試験
  2. 特異性試験
  3. 添加回収試験
  4. 同時再現性試験
  5. 干渉物質の影響試験
解答と解説

解答:4

  1. 正確度の評価法である。
  2. 正確度の評価法である。
  3. 正確度の評価法である。
  4. 精密度の評価法である。
  5. 正確度の評価法である。

PM3 問題

尿沈渣の Sternheimer 染色標本(別冊No. 1)を別に示す。考えられるのはどれか。

  1. 硝子円柱
  2. 脂肪円柱
  3. 上皮円柱
  4. 赤血球円柱
  5. 白血球円柱
解答と解説

解答:1

  1. 基質内に有形成分がない円柱を硝子円柱という。
  2. 脂肪顆粒および卵円形脂肪体を含むものをいう。
  3. 尿細管上皮細胞を3個以上含むものをいう。
  4. 赤血球を3個以上含むものをいう。
  5. 白血球を3個以上含むものをいう。

PM4 問題

尿中成分と疾患・病態の組合せで誤っているのはどれか。

  1. 亜硝酸塩――――――急性糸球体腎炎
  2. ケトン体――――――飢餓状態
  3. ビリルビン―――――閉塞性黄疸
  4. ヘモジデリン――――溶血性貧血
  5. Bence jones 蛋白――多発性骨髄腫
解答と解説

解答:1

  1. 尿路感染症の診断に有用である。
  2. 飢餓状態ではβ酸化が亢進することによる。
  3. 直接ビリルビンが高値となる。
  4. 他に原発性マクログロブリン血症でもみられる。

PM5 問題

糞便の性状と疾患の組合せで正しいのはどれか。

  1. 脂肪便――――――慢性膵炎
  2. 粘血便――――――ロタウイルス腸炎
  3. 緑色便――――――カンピロバクター腸炎
  4. タール便―――――直腸癌
  5. 白色水様便――――潰瘍性大腸炎
解答と解説

解答:1

  1. リパーゼの産生低下により脂肪の分解ができなくなるため。
  2. カンピロバクター腸炎でみられる。
  3. 緑黄色野菜の過剰摂取でみられる。
  4. 上部消化管出血でみられる。
  5. ロタウィルス腸炎でみられる。

PM6 問題

幼虫移行症を起こすのはどれか。2つ選べ。

  1. 鞭 虫
  2. 旋尾線虫
  3. 無鉤条虫
  4. 有棘顎口虫
  5. 日本住血吸虫
解答と解説

解答:2,4

  1. 幼虫移行症は起こさない。
  2. 幼虫移行症を起こす。
  3. 幼虫移行症は起こさない。
  4. 幼虫移行症を起こす。
  5. 幼虫移行症は起こさない。

PM7 問題

糞便検査で見いだされた体長約 350 μm の幼線虫(別冊No. 2)を別に示す。虫種を確定するために行う検査はどれか。

  1. 厚層塗抹法
  2. 薄層塗抹法
  3. ろ紙培養法
  4. 飽和食塩水浮遊法
  5. ショ糖遠心沈殿浮遊法
解答と解説

解答:3

  1. ミクロフィラリアの有無で虫種を確定する。
  2. 画像では片方の先が尖っており、体長約 350 μm であることから糞線虫が考えられる。
  3. 鉤虫卵、東洋毛様線虫卵の検出で行われる。
  4. クリプトスポリジウムの検査法である。

PM8 問題

プラスミドで誤っているのはどれか。

  1. 核内で複製される。
  2. 環状の DNA である。
  3. 接合によって伝達される。
  4. 薬剤耐性因子の1つである。
  5. 染色体とは独立した遺伝体である。
解答と解説

解答:1

  1. 核外で複製される。
  2. 環状二本鎖DNAである。
  3. 接合は線毛によって行われる。
  4. 薬剤耐性遺伝子をもつプラスミドをRプラスミドという。
  5. 細胞質内で独立して存在している。

PM9 問題

染色体の構造と細胞周期について正しいのはどれか。

  1. テロメアは染色体の中央に位置する。
  2. 核膜が消失するのは細胞周期の S 期である。
  3. 体細胞が分裂するたびにテロメアは短くなる。
  4. テロメアは細胞分裂時の紡錘糸の着糸点となる。
  5. DNA 量が増加するのは細胞周期の M 期である。
解答と解説

解答:3

  1. 染色体の末端部分に位置する。
  2. 核膜の消失はM期である。
  3. 着糸点はセントロメアである。
  4. DNA複製期のS期である。

PM10 問題

Klinefelter 症候群の核型はどれか。

  1. 45,X
  2. 46,XY
  3. 47,XXY
  4. 47,XYY
  5. 47,XX,+21
解答と解説

解答:3

  1. ターナー症候群の核型である。
  2. 正常の男性である。
  3. Klinefelter 症候群の核型である。
  4. XYY男性の核型である。
  5. ダウン症候群の核型である。

出典:厚生労働省ホームページ 第62回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp160411-05.html

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