AM79〜89 臨床免疫学

第61回 臨床検査技師 国家試験 解説集
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こちらでは、平成27年(2015年)に実施された

第61回 臨床検査技師国家試験 AM79〜89 臨床免疫学

の解答と解説を掲載しております。

AM79 問題

抗ウイルス作用を有するサイトカインはどれか。

  1. インターフェロン a〈IFN-a〉
  2. インターロイキン 1〈IL-1〉
  3. インターロイキン 4〈IL-4〉
  4. インターロイキン 6〈IL-6〉
  5. 腫瘍壊死因子 a〈TNF-a〉
解答と解説

解答:1

  1. ウイルスに感染した細胞から分泌され、抗ウイルス作用を有する。
  2. 炎症性サイトカインである。
  3. 抗炎症性サイトカインである。
  4. 炎症性サイトカインである。
  5. 炎症性サイトカインである。

AM80 問題

膜傷害複合体を構成する補体成分はどれか。

  1. C1
  2. C2
  3. C3
  4. C4
  5. C5
解答と解説

解答:5

  1. 補体経路の前半部分を構成する。
  2. 補体経路の前半部分を構成する。
  3. 補体経路の前半部分を構成する。
  4. 補体経路の前半部分を構成する。
  5. 補体経路の後半部分を構成する。膜傷害複合体(MAC)は後半部分で形成される。

AM81 問題

HIV 感染のスクリーニング法はどれか。 2 つ選べ。

  1. 受身凝集法
  2. 間接蛍光抗体法
  3. 酵素免疫測定法
  4. Ouchterlony 法〈二重免疫拡散法〉
  5. イムノブロット法〈ウエスタンブロット法〉
解答と解説

解答:1,3

  1. スクリーニング法である。
  2. 確認試験である。
  3. スクリーニング法である。
  4. HIVの検査に用いられない。
  5. 確認試験である。

AM82 問題

肺小細胞癌に特異性の高い腫瘍マーカーはどれか。

  1. CA15-3
  2. CEA
  3. CYFRA21-1
  4. ProGRP
  5. SCC
解答と解説

解答:4

  1. 乳癌のマーカーとして用いられる。
  2. 胃癌や大腸癌などの腺癌マーカーである。
  3. 肺扁平上皮癌のマーカーである。
  4. 肺小細胞癌のマーカーである。
  5. 肺扁平上皮癌のマーカーである。

AM83 問題

Ⅰ型アレルギーはどれか。 2 つ選べ。

  1. アナフィラキシーショック
  2. 全身性エリテマトーデス
  3. 自己免疫性溶血性貧血
  4. 接触性皮膚炎
  5. 蕁麻疹
解答と解説

解答:1,5

  1. Ⅰ型アレルギーである。
  2. Ⅲ型アレルギーである。
  3. Ⅱ型アレルギーである。
  4. Ⅳ型アレルギーである。
  5. Ⅰ型アレルギーである。

AM84 問題

関節リウマチの診断に用いられるのはどれか。

  1. 抗 CCP 抗体
  2. 抗 DNA 抗体
  3. 抗 SS-A 抗体
  4. 抗好中球細胞質抗体
  5. 抗カルジオリピン抗体
解答と解説

解答:1

  1. 抗環状シトルリン化ペプチド抗体という。関節リウマチは他にリウマトイド因子がみられる。
  2. 全身性エリテマトーデスの診断に用いられる。
  3. シェーグレン症候群の診断に用いられる。
  4. 血管炎の診断に用いられる。
  5. 抗リン脂質抗体症候群の診断に用いられる。

AM85 問題

インターフェロンγ遊離試験が用いられるのはどれか。

  1. 結核菌感染症
  2. 溶血性連鎖球菌感染症
  3. マイコプラズマ感染症
  4. B 型肝炎ウイルス感染症
  5. C 型肝炎ウイルス感染症
解答と解説

解答:1

  1. 結核菌に特異的な抗原を血液に混ぜて培養し、血液中のリンパ球が産生するインターフェロンγを測定することで結核の感染の有無を調べる。
  2. 用いられない。
  3. 用いられない。
  4. 用いられない。
  5. 用いられない。

AM86 問題

ABO 血液型について正しいのはどれか。

  1. 抗原は蛋白である。
  2. 抗体は主に IgM である。
  3. 遺伝子は第 6 染色体にある。
  4. 抗原は血小板には発現しない。
  5. オモテ検査は血清側の検査である。
解答と解説

解答:2

  1. 抗原は糖鎖である。
  2. IgMで規則性正常同種抗体である。
  3. 第9番染色体長腕に存在する。第6染色体にはMHC 分子(HLA)が存在する。
  4. 全身の細胞、組織、体液に存在している。
  5. オモテ検査は血球側、ウラ検査は血清側の検査である。

AM87 問題

A 型 Rh(D)陰性患者と交差適合試験を行った場合、主試験も副試験も不適合となる赤血球製剤はどれか。

  1. A型 Rh(D)陽性
  2. A型 Rh(D)陰性
  3. B型 Rh(D)陰性
  4. O型 Rh(D)陰性
  5. AB 型 Rh(D)陰性
解答と解説

解答:3

  1. 同型であるため、どちらも陰性である。
  2. 同型であるため、どちらも陰性である。
  3. 患者はA抗原とD抗原と抗Bを保有している。供血者はB抗原、抗Aを保有しているため、どちらも不適合となる。
  4. 供血者は抗Aと抗Bをもつため、副試験のみ不適合となる。
  5. 供血者はA抗原とB抗原をもつため、主試験のみ不適合となる。

AM88 問題

Rh 血液型について正しいのはどれか。

  1. 検査(試験管法)は 37 ℃で行う。
  2. 日本人の D 陰性頻度は 5 %である。
  3. D 陰性の確認は間接抗グロブリン試験で行う。
  4. D 陽性患者に D 陰性血液を輸血してはならない。
  5. 日本人で検出される抗体で頻度が最も高いのは抗 Dである。
解答と解説

解答:3

  1. ABOと同様に室温で行う。
  2. 日本のD陰性頻度は0.5%で200人に1人である。
  3. 抗D抗体を検出できないことを確認する。
  4. D陰性のため問題とならない。逆の条件ではD抗原が免疫されてしまうため輸血してはならない。
  5. 抗D抗体は現在、様々な対策がなされているため、2番目に抗原性の強い抗E抗体の検出頻度が最も高い。

AM89 問題

輸血後 GVHD の予防策として適切なのはどれか。 2 つ選べ。

  1. 血液製剤の放射線照射
  2. 近親者からの輸血
  3. 自己血輸血
  4. 新鮮血輸血
  5. 免疫抑制薬
解答と解説

解答:1,3

  1. 輸血後GVHDとは、輸血製剤中(レシピエント)のリンパ球が患者組織を破壊する致死的副作用である。放射線照射により製剤中の白血球を破壊することで予防できる。
  2. 近親者でもHLA抗原は一致しないため、予防策にならない。
  3. 自分の血液の場合はHLA型は適合しているため予防できる。
  4. 新鮮でも他血の場合、HLA型は一致しないため、予防策にならない。
  5. 予防ではなく、発症後の対策である。

出典:厚生労働省ホームページ 第61回臨床検査技師国家試験問題および正答について
(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp230524-07b_01.pdf)

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