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こちらでは、平成27年(2015年)に実施された
第61回 臨床検査技師国家試験 PM79〜89 臨床免疫学
の解答と解説を掲載しております。
PM79 問題
IgA について正しいのはどれか。
- 5 量体である。
- 分泌成分と結合する。
- 胎盤通過性を有する。
- 4 種のサブクラスがある。
- 補体古典経路を活性化する。
解答と解説
解答:2
- 単量体または2量体である。
- 唾液などの分泌成分と結合し粘膜免疫の主役を担う。
- 胎盤通過性をもつのはIgG のみである。
- サブクラスは2種類である。
- 副経路を活性化する。古典経路はIgGとIgMが活性化する。
PM80 問題
Ouchterlony 法〈二重免疫拡散法〉の結果の模式図(別冊 No. 14)を別に示す。一部共通抗原と反応しているのはどれか。

- B と C
- C と D
- D と E
- E と F
- G と B
解答と解説
解答:2
- 異なる抗原である。
- 一部共通抗原である。
- 完全融合のため、共通抗原である。
PM81 問題
B 型急性肝炎の発症の指標はどれか。
- HBe 抗原陽性
- HBe 抗体陽性
- HBs 抗原陽性
- HBs 抗体陽性
- IgM-HBc 抗体陽性
解答と解説
解答:5
- 感染や活動性の指標となる。
- セロコンバージョンの指標となる。
- HBe抗原と同時に陽性となり、感染の指標となる。
- 治癒やワクチン接種後の指標となる。
- 初期抗体である。
PM82 問題
慢性肉芽腫症で障害されるのはどれか。
- 殺菌能
- 貪食能
- 遊走能
- 抗体産生能
- 細胞傷害能
解答と解説
解答:1
- 好中球やマクロファージが活性酸素を産生できない病態でる。そのため感染が慢性化するし肉芽腫が形成される。
PM83 問題
抗セントロメア抗体が診断に有用な疾患はどれか。
- 多発性筋炎
- CREST 症候群
- Sjögren 症候群
- 自己免疫性肝炎
- 全身性エリテマトーデス
解答と解説
解答:2
- 抗Jo-1抗体が有用である。
- 抗セントロメア抗体が有用である。
- 抗SS-A/B抗体が有用である。
- 抗平滑筋抗体が有用である。
- 抗Sm抗体や抗DNA抗体が有用である。
PM84 問題
MGUS〈monoclonal gammopathy of undetermined significance〉で正しいのはどれか。
- 骨髄の形質細胞比率は 10%以上である。
- 尿中 Bence Jones 蛋白が陽性となる。
- 若年者より高齢者に多くみられる。
- 過粘稠度症候群を呈する。
- 骨病変を認める。
解答と解説
解答:3
- 10%未満である。
- 多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症で陽性となる。
- 高齢者に多い。
- 原発性マクログロブリン血症の特徴である。
- 多発性骨髄腫の特徴である。
PM85 問題
補体の cold activation で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
- 血清 C4濃度が低下する。
- C 型慢性肝炎でみられる。
- 血清補体価が高値を示す。
- EDTA 加血漿でみられる。
- クリオグロブリンが原因となる。
解答と解説
解答:2,5
- C3とC4濃度は正常である。
- 抗HCV抗体はクリオグロブリンの形成に関与し、このクリオグロブリンがコールドアクチベーションの原因となる。
- 補体成分が消費され低値となる。
- 補体系の活性化にはカルシウムイオンとマグネシウムイオンが必要であり、EDTA加血漿では、この2つがキレートされるため、補体は活性化されなくなる。
- クリオグロブリンとは血清を低温(4℃)に保存すると白色沈殿またはゲル化し、37℃に温めると再溶解するという可逆的変化を示す蛋白である。
PM86 問題
ABO 血液型検査で血清側の原因によってオモテ・ウラ不一致となるのはどれか。2 つ選べ。
- 亜 型
- 後天性 B
- 寒冷凝集素
- 汎血球凝集
- 不規則抗体
解答と解説
解答:3,5
- 血球側の原因である。
- 血球側の原因である。
- 寒冷凝集素は正常同種抗体のため、誰もが保有している。
- 血球側の原因である。汎血球凝集とは細菌の酵素や血液疾患等により通常の赤血球では潜在化している抗原が露出することで、凝集することをいう。
- 移植や輸血などで不規則抗体が産生されている場合は、ウラ試験で誤りの原因となる。
PM87 問題
カラム凝集法による血液型検査の結果(別冊 No. 15)を別に示す。正しい判定はどれか。

- A 型 Rh(D)陽性
- B 型 Rh(D)陽性
- O 型 Rh(D)陰性
- AB 型 Rh(D)陰性
- 判定保留
解答と解説
解答:2
- 画像では抗B、抗D、A₁血球で凝集がみられるため、B 型Rh(D)陽性となる。
PM88 問題
不規則抗体検査について正しいのはどれか。
- 輸血歴がない場合は不要である。
- 酵素法は MNSs 血液型に対する抗体を検出する。
- 生理食塩液法は主に IgG クラスの抗体を検出する。
- 間接抗グロブリン試験で不十分な血球洗浄は偽陰性の原因になる。
- 間接抗グロブリン試験反応増強剤のうちウシアルブミンは最も作用が強い。
解答と解説
解答:4
- 輸血歴がない場合でも、その他の要因で不規則抗体は産生されるため、必要である。
- MNSs、Duffy、Xg血液型の抗原は、試薬のブロメリンにより破壊されるため、酵素法では検出できない。
- IgM抗体の検出を目的とする。
- 洗浄不十分の場合、残存する抗D抗体によりクームス血清が消費されるため、偽陰性の原因となる。
- アルブミンの作用は弱い。その他の反応増強剤としてポリエチレ ングリコール(PEG)と低イオン強度溶液(LISS)などがあり、作用が強く、反応時間を短縮することができる。
PM89 問題
Rh(D)不適合による新生児溶血性疾患について正しいのはどれか。
- 第 1 子から起こる。
- 血管内溶血を起こす。
- 間接ビリルビンは変化しない。
- 母親の不規則抗体検査で発生を予測する。
- 児への抗 D 免疫グロブリン投与により予防する。
解答と解説
解答:4
- 第2子から起こる。
- 血管外溶血を起こす。
- 溶血により、間接ビリルビンが増加する。これにより新生児黄疸がみられる。
- 第1子妊娠時に産生された抗D抗体を検出することで予測可能である。
- 母親へ投与する。抗D抗体に対する抗体である。
出典:厚生労働省ホームページ 第61回臨床検査技師国家試験問題および正答について
(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp230524-07b_01.pdf)