PM46〜59 病理組織細胞学

第61回 臨床検査技師 国家試験 解説集
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こちらでは、平成27年(2015年)に実施された

第61回 臨床検査技師国家試験 PM46〜59 病理組織細胞学

の解答と解説を掲載しております。

PM46 問題

上皮組織を有していないのはどれか。

  1. 骨 髄
  2. 前立腺
  3. 鼻 腔
  4. 膀 胱
  5. 卵 管
解答と解説

解答:1

  1. 網内系の組織で上皮細胞を有していない。
  2. 腺上皮細胞で構成されている。
  3. 線毛円柱上皮で被覆されている。
  4. 移行上皮で被覆されている。
  5. 線毛円柱上皮で被覆されている。

PM47 問題

小児より成人に発生頻度が高い腫瘍はどれか。

  1. 肝芽腫
  2. 膠芽腫
  3. 腎芽腫
  4. 髄芽腫
  5. 神経芽腫
解答と解説

解答:2

  1. 新生児から小児期に多い。
  2. 〜芽腫は基本的に小児に多くみられるが、膠芽腫は唯一、中高年に好発する。
  3. 多くが5歳以下の小児に発生する。
  4. 小児に多い。
  5. 小児に多く、先天性に起こりやすい。

PM48 問題

大動脈弓から直接分岐する血管はどれか。 2 つ選べ。

  1. 腕頭動脈
  2. 左総頸動脈
  3. 左椎骨動脈
  4. 右内頸動脈
  5. 右鎖骨下動脈
解答と解説

解答:1,2

  1. 大動脈弓から直接分枝するのは腕頭動脈、左総頸動脈、左鎖骨下動脈の3つのみである。腕頭動脈は1番目に分枝する。
  2. 2番目に分枝する。
  3. 左鎖骨下動脈から分枝する。
  4. 右総頚動脈から分枝する。
  5. 腕頭動脈から分枝する。

PM49 問題

H-E 染色標本(別冊 No. 6)を別に示す。組織型はどれか。

  1. 腺 癌
  2. 小細胞癌
  3. 軟骨肉腫
  4. 尿路上皮癌
  5. 扁平上皮癌
解答と解説

解答:5

  1. 腺腔様構造、不規則重積性、核偏在などがみられる。
  2. 裸核様細胞、鋳型状配列などがみられる。
  3. 正常は細胞量は少ないが、N/C比の低い腫瘍細胞の増殖が特徴である。
  4. 細胞異型の目立つ細胞が孤在性に出現する。
  5. 画像ではエオジン好性の癌真珠がみられる。ケラチンの塊である。

PM50 問題

H-E 染色標本(別冊 No. 7)を別に示す。矢印で示す細胞群から分泌されるのはどれか。

  1. アンドロゲン
  2. インスリン
  3. カルシトニン
  4. 糖質コルチコイド
  5. 副腎皮質刺激ホルモン
解答と解説

解答:2

  1. 精巣と副腎皮質網状層から分泌される。
  2. ランゲルハンス島B細胞から分泌される。
  3. 甲状腺傍濾胞細胞から分泌される。
  4. 副腎皮質束状層から分泌される。
  5. 下垂体前葉から分泌される。

PM51 問題

脱灰液として用いないのはどれか。

  1. 塩 酸
  2. ギ 酸
  3. 硝 酸
  4. 硫 酸
  5. トリクロロ酢酸
解答と解説

解答:4

  1. 無機酸の脱灰液に分類される。
  2. 有機酸の脱灰液に分類される。
  3. 無機酸の脱灰液に分類される。
  4. 脱灰液として使用される。
  5. 有機酸の脱灰液に分類される。

PM52 問題

elastica van Gieson 染色標本(別冊 No. 8)を別に示す。矢印部分を染色している色素はどれか。

  1. orcein 液
  2. メセナミン銀液
  3. Sudan black B 染色液
  4. アルデヒド・フクシン液
  5. ワイゲルト〈Weigert〉のレゾルシン・フクシン液
解答と解説

解答:5

  1. 弾性線維とHBs抗原の染色法である。茶褐色に染色される。
  2. 細網線維の染色法で、黒色に染色される。
  3. 脂肪組織の染色法で、黒色に染色される。
  4. 弾性線維の染色法で、紫色に染色される。
  5. 弾性線維の染色法で、黒色に染色される。

PM53 問題

組織内構造物と染色法の組合せで誤っているのはどれか。

  1. 神経内分泌顆粒ーーーーーーGrimelius 染色
  2. 胆汁色素ーーーーーーーーーGmelin 法
  3. ヘモジデリンーーーーーーーCongo red 染色
  4. メラニン色素ーーーーーーーMasson-Fontana 染色
  5. リポフスチンーーーーーーーSchmorl 反応
解答と解説

解答:3

  1. ランゲルハンス島α細胞などが黒色に染色される。
  2. ビリルビン(胆汁色素)の染色法である。
  3. ベルリン青染色が行われる。
  4. 黒色に染色される。
  5. リポフスチン消耗性顆粒といわれ、心筋組織などにみられる。

PM54 問題

肺病変部の染色標本(別冊 No. 9)を別に示す。染色法はどれか。

  1. Feulgen 反応
  2. Gram 染色
  3. Grocott 染色
  4. mucicarmine 染色
  5. 渡辺の鍍銀法
解答と解説

解答:3

  1. 核酸の染色法である。
  2. 微生物の一般染色である。
  3. Aspergillus属の菌体が黒色に染まる。
  4. Cryptococcus neophormansの細胞壁と莢膜が陽性となる。
  5. 細網線維の染色法である。

PM55 問題

免疫組織化学染色で核が陽性になるのはどれか。 2 つ選べ。

  1. CD3
  2. CEA
  3. HER2
  4. Ki67
  5. p53
解答と解説

解答:4,5

  1. 細胞膜が陽性となる。リンパ球マーカーとして用いられる。
  2. 細胞膜が陽性となる。腺癌マーカーとして用いられる。
  3. 細胞質と細胞膜が陽性となる。乳癌や胃癌で用いられる。
  4. 核が陽性となる。細胞増殖マーカーとして用いられる。
  5. 核が陽性となる。細胞増殖マーカーとして用いられる。

PM56 問題

腹水細胞診の Papanicolaou 染色標本(別冊 No. 10A)と PAS 反応標本(別冊 No. 10B)を別に示す。組織型はどれか。

  1. 腺 癌
  2. 中皮腫
  3. 小細胞癌
  4. 扁平上皮癌
  5. 悪性リンパ腫
解答と解説

解答:1

  1. 画像では偏在核、核小体明瞭、細胞質に粘液(PAS陽性)がみられるため腺癌を考える。
  2. 中皮細胞に類似した細胞が乳頭状細胞集塊で出現する。Humpの増加や多核細胞の増加もみられる。
  3. 裸核様細胞、鋳型状配列などがみられる。
  4. 奇怪な形の腫瘍細胞などがみられる。
  5. 腫瘍化したリンパ球のモノトーナスな増殖がみられる。

PM57 問題

成人臓器の重量で正常なのはどれか。 2 つ選べ。

  1. 心 臓ーーーーー150 g
  2. 右 肺ーーーーー900 g
  3. 肝 臓ーーーーー1,100 g
  4. 脾 臓ーーーーー500 g
  5. 左 腎ーーーーー140 g
解答と解説

解答:3,5

  1. 200~300gである。
  2. 600gである。
  3. 1000~2000gである。
  4. 80~120gである。
  5. 130~150gである。

PM58 問題

毒物及び劇物取締法において劇物に指定されていないのはどれか。

  1. キシレン
  2. エタノール
  3. メタノール
  4. クロロホルム
  5. ホルムアルデヒド
解答と解説

解答:2

  1. 劇物に指定されている。
  2. 指定されていない。
  3. 劇物に指定されている。
  4. 劇物に指定されている。
  5. 劇物に指定されている。

PM59 問題

細胞周期で DNA 合成が行われるのはどれか。

  1. G0 期
  2. G1 期
  3. G2 期
  4. M期
  5. S期
解答と解説

解答:5

  1. 静止期で、細胞活動が行われていない時期である。
  2. DNA合成準備期である。
  3. 細胞分裂準備期である。
  4. 細胞分裂期である。
  5. DNA合成期である。

出典:厚生労働省ホームページ 第61回臨床検査技師国家試験問題および正答について
(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp230524-07b_01.pdf)

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