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こちらでは、平成27年(2015年)に実施された
第61回 臨床検査技師国家試験 AM45〜58 病理組織細胞学
の解答と解説を掲載しております。
AM45 問題
外胚葉に由来するのはどれか。
- 骨
- 心 臓
- 腎 臓
- 膵 臓
- 大 脳
解答と解説
解答:5
- 骨格系は中胚葉に由来する。
- 循環器系は中胚葉に由来する。
- 泌尿器系は中胚葉に由来する。
- 消化器系と肝・胆・膵は内胚葉に由来する。
- 神経系は外胚葉に由来する。
AM46 問題
皮膚と同様の上皮組織を有するのはどれか。
- 胃
- 気管支
- 食 道
- 胆 嚢
- 尿 管
解答と解説
解答:3
- 単層円柱上皮で被覆されている。
- 線毛円柱上皮で被覆されている。
- 重層扁平上皮で被覆されている。
- 単層立方上皮で被覆されている。
- 単層円柱上皮で被覆されている。
AM47 問題
癌抑制遺伝子はどれか。
- ras
- p53
- myc
- erb-B2
- cyclin D
解答と解説
解答:2
- 癌遺伝子である。
- 癌抑制遺伝子である。
- 癌遺伝子である。
- 癌遺伝子である。
- 癌遺伝子である。
AM48 問題
悪性腫瘍はどれか。
- 血管腫
- 骨軟骨腫
- 脂肪腫
- 多形腺腫
- 中皮腫
解答と解説
解答:5
- 良性非上皮性腫瘍である。
- 良性非上皮性腫瘍である。
- 良性非上皮性腫瘍である。
- 良性上皮性腫瘍である。
- 悪性上皮性腫瘍である。
AM49 問題
動脈血が流れるのはどれか。 2 つ選べ。
- 肝静脈
- 臍帯静脈
- 食道静脈
- 肺静脈
- 脾静脈
解答と解説
解答:2,4
- 静脈血が流れる。
- 動脈血が流れる。
- 静脈血が流れる。
- 動脈血が流れる。
- 静脈血が流れる。
AM50 問題
H-E 染色標本(別冊 No. 6)を別に示す。臓器はどれか。

- 胃
- 肺
- 胆 嚢
- 副 腎
- 甲状腺
解答と解説
解答:5
- 粘膜構造がみられ、上皮は単層円柱上皮である。
- スポンジのように、空洞が多い組織像がみられる。
- 粘膜構造であるが、粘膜筋板と粘膜下層がなく、とても薄っぺらい組織像である。
- 内側に髄質、外側に皮質があり。皮質は網状層、束状層、球状層の3つの組織像がみられる。
- 画像では田んぼのような構造をした、甲状腺コロイドが観察される。コロイドを囲む細胞が濾胞上皮細胞である。
AM51 問題
小葉構造を持つのはどれか。 2 つ選べ。
- 大 脳
- 肝 臓
- 膵 臓
- 脾 臓
- 膀 胱
解答と解説
解答:2,3
- 小葉構造を持たない。
- 小葉構造をもつ。他に肺、乳腺、胸腺、精巣などが小葉構造をもつ。
- 小葉構造をもつ。
- 小葉構造を持たない。
- 小葉構造を持たない。
AM52 問題
凍結標本作製法で誤っているのはどれか。
- 水溶性包埋剤を用いる。
- 骨組織の標本作製に適している。
- 薄切に適した温度は-20 ℃である。
- ホルマリン固定した組織は剥がれやすい。
- 凍結速度が遅いと組織の損傷は大きくなる。
解答と解説
解答:2
- 水様性包埋剤にはゼラチン、OCTコンパウンドなどがある。
- 凍結によりさらに硬くなるため、薄切は困難となる。脱灰操作が必要である。
- クリオスタットの庫内温度は-20℃に設定されている。
- そのためメタノール、95%エタノール、アセトンなどが使用される。
- ひび割れなどが起こる。
AM53 問題
腎臓の染色標本(別冊 No. 7)を別に示す。染色法はどれか。

- azan 染色
- Bodian 染色
- Congo red 染色
- elastica van Gieson 染色
- PAM 染色
解答と解説
解答:5
- 膠原線維の染色法である。
- 神経組織の染色法である。
- アミロイドの染色法である。
- 弾性線維の染色法である。
- 細網線維の染色法である。腎糸球体基底膜がメセナミン銀によって黒色に染色されている。
AM54 問題
肺に沈着したアスベスト小体の染色標本(別冊 No. 8)を別に示す。染色法はどれか。

- Alcian blue 染色
- Berlin blue 染色
- methylene blue 染色
- Nile blue 染色
- Victoria blue 染色
解答と解説
解答:2
- 酸性粘液の染色法である。
- 3価鉄の染色法である。
- 核酸の染色法である。
- 脂肪の染色法である。
- 弾性線維の染色法である。
AM55 問題
電子顕微鏡標本作製で固定に用いる試薬はどれか。 2つ選べ。
- ピクリン酸
- オスミウム酸
- トリクロロ酢酸
- ブアン〈Bouin〉液
- グルタールアルデヒド
解答と解説
解答:2,5
- 電子顕微鏡標本には用いられない。ブアン液に含まれる。
- 後固定液として用いられる。
- 電子顕微鏡標本には用いられない。
- 電子顕微鏡標本には用いられない。内分泌組織の固定に適している。
- 前固定液として用いられる。
AM56 問題
喀痰細胞診の Papanicolaou 染色標本(別冊 No. 9A、B)を別に示す。A、Bは同一標本中の異なる視野である。組織型はどれか。

- カルチノイド
- 小細胞癌
- 腺 癌
- 大細胞癌
- 扁平上皮癌
解答と解説
解答:5
- 剥離細胞として喀痰に出現することは稀である。
- 裸核様細胞やインディアンファイル配列(鋳型状配列)などがみられる。
- 核偏在、腺空構造、不規則重積性などがみられる。
- 2024年現在、推定組織型として用いられない。
- ABどちらにもオレンジG好性の異型細胞がみられる。Aは扁平上皮癌で特徴的にみられる奇怪な形で、蛇型細胞という。
- Bではクロマチン増量が著名で、 N/C比の大きい異型細胞がみられる。
AM57 問題
子宮頸部細胞診の Papanicolaou 染色標本(別冊 No. 10)を別に示す。関係の深い微生物はどれか。

- カンジダ
- クラミジア
- トリコモナス
- ヘルペスウイルス
- ヒトパピローマウイルス
解答と解説
解答:5
- 扁平上皮細胞に絡むように出現し仮性菌糸や酵母の形態が特徴である。
- 感染細胞の細胞質に星雲状封入体がみられる。
- 西洋梨状の形態、パパ二コロウで灰青色り、虫体に赤色の顆粒がみられるのが特徴である。
- 感染細胞にスリガラス様の核や多核などの所見がみられる。
- 画像では核周囲にコイロサイト(核周囲空洞化)がみられる。クロマチン増量もみられ、HPV感染細胞であると考えられる。
AM58 問題
ホルマリンについて正しいのはどれか。
- pH は中性である。
- 酸化によりギ酸を生じる。
- 組織固定には原液を使用する。
- 長期固定で蛋白質が溶出する。
- ホルマリン色素除去はメタノールに浸漬する。
解答と解説
解答:2
- pHは酸性である。
- アルデヒド基は酸化されると蟻酸を生じる。
- 10%ホルマリン水溶液を使用する。
- メチレン架橋により安定化(架橋固定)するため、蛋白質は溶出しづらい。
- アルカリ性アルコール溶液を使用する。カルダセウィッチ法、ベロケイ法の2種類がある。
出典:厚生労働省ホームページ 第61回臨床検査技師国家試験問題および正答について
(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp230524-07b_01.pdf)