PM29〜44 臨床化学

第62回 臨床検査技師 国家試験 解説集
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こちらでは、平成28年(2016年)に実施された

第62回 臨床検査技師国家試験 PM29〜44 臨床化学

の解答と解説を掲載しております。

PM29 問題

分子ふるい効果を原理とするのはどれか。

  1. 薄層クロマトグラフィ
  2. ろ紙クロマトグラフィ
  3. ゲルろ過クロマトグラフィ
  4. イオン交換クロマトグラフィ
  5. アフィニティクロマトグラフィ
解答と解説

解答:3

  1. ガラス板などの支持体を使用する方法である。
  2. 毛細管現象を利用する方法である。
  3. 他にゲル浸透クロマトグラフィも分子ふるい効果を原理としている。
  4. イオン交換能の差によって分離する方法である。
  5. 親和性による分離法である。

PM30 問題

競合法を原理とする免疫測定法が適するのはどれか。2つ選べ。

  1. CEA
  2. CA125
  3. ジゴキシン
  4. ミオグロビン
  5. アルドステロン
解答と解説

解答:3,5

  1. 分子量が大きいため適さない。
  2. 分子量が大きいため適さない。
  3. 競合法は分子量が小さく、エピトープの少ない物質の測定に適する。
  4. 分子量が大きいため適さない。
  5. 分子量が少なくエピトープの少ない物質の測定に適する。

PM31 問題

イオン選択電極を用いたクロールの測定において正誤差の要因となるイオンはどれか。2つ選べ。

  1. 臭 素
  2. ヨウ素
  3. カリウム
  4. リチウム
  5. ナトリウム
解答と解説

解答:1,2

  1. クロールのイオン選択電極は他のハロゲン化族イオンにも反応し測定されてしまうため、正誤差の要因となる。
  2. ハロゲン化族イオンである。
  3. ハロゲン化族イオンではない。
  4. ハロゲン化族イオンではない。
  5. ハロゲン化族イオンではない

PM32 問題

検査項目と呈色試薬の組合せで誤っているのはどれか。

  1. カルシウム――――アルセナゾ-Ⅲ
  2. マグネシウム―――ο-クレゾールフタレインコンプレクソン
  3. 無機リン―――――モリブデン酸
  4. 鉄――――――――バソフェナンスロリン
  5. 銅――――――――バソクプロイン
解答と解説

解答:2

  1. 他にOCPCやメチルキシレノールブルーなどがある。
  2. キシリジルブルーやチタンイエローが用いられる。ο-クレゾールフタレインコンプレクソンはカルシウムの呈色試薬である。
  3. 他にFerene 色素などがある。

PM33 問題

HbA1c が偽高値を示すのはどれか。

  1. 出 血
  2. 輸 血
  3. 鉄欠乏状態
  4. 脾機能亢進
  5. 溶血性貧血
解答と解説

解答:3

  1. 赤血球寿命の短縮で偽低値となる。
  2. 古い赤血球が新しい赤血球に置き換わり赤血球寿命が短縮することで偽低値となる。
  3. ヘモグロビン低値により赤血球寿命が延長して偽高値となる。治療で鉄剤投与をした場合は、幼弱赤血球の増加により赤血球寿命が短縮し偽低値となる。
  4. 赤血球寿命短縮の短縮により偽低値となる。
  5. 赤血球寿命短縮の短縮により偽低値となる。

PM34 問題

リポ蛋白リパーゼ(LPL)の活性化に関与するアポリポ蛋白はどれか。

  1. アポ A1
  2. アポ B48
  3. アポ B100
  4. アポ C2
  5. アポ E
解答と解説

解答:4

  1. LCAT活性化に関与する。
  2. CMの分泌に関与する。
  3. VLDLの分泌、受容体との結合に関与する。
  4. LPL活性化に関与する。
  5. 受容体との結合に関与する。

PM35 問題

ビウレット法について正しいのはどれか。

  1. 反応は強酸性下で行う。
  2. 測定波長は 630 nm である。
  3. アルブミンの測定法である。
  4. 鉄イオンとの錯体を検出する。
  5. 呈色はペプチド結合の数に比例する。
解答と解説

解答:5

  1. 強アルカリ性下で行う。
  2. 測定波長は545nmである。
  3. 総蛋白の測定法である。
  4. 銅イオンとの錯体を検出する。

PM36 問題

濃度を窒素量として表示するのはどれか。2つ選べ。

  1. 尿 素
  2. 尿 酸
  3. ビリルビン
  4. アンモニア
  5. クレアチニン
解答と解説

解答:1,4

  1. 尿素分子に含まれる窒素量で表示される。
  2. 尿素量で表示しない。
  3. 尿素量で表示しない。
  4. アンモニア分子に含まれる窒素量で表示される。
  5. 尿素量で表示しない。

PM37 問題

血清 CK 活性の測定において2分間の吸光度増加量が 0.07 であった。この血清の CK 活性として正しいのはどれか。
ただし、NADPH のモル吸光係数 6.3×10³ L・mol⁻¹・cm⁻¹、試料量 10 μL、試薬量 350μLとする。

  1.  25 U/L
  2.  50 U/L
  3. 100 U/L
  4. 200 U/L
  5. 400 U/L
解答と解説

解答:4

  1. U/L=⊿A/分×1/ε・V/v・1/ℓ・10⁶
    U/L=0.035×1/6.3×10³・360/10・1/1・10⁶=200U/L

PM38 問題

日本臨床化学会(JSCC)勧告法による酵素活性測定で可視部測定項目はどれか。

  1. CK
  2. LD
  3. ALP
  4. ALT
  5. AST
解答と解説

解答:3

  1. 測定波長は340nmで紫外部測定法である。
  2. 測定波長は340nmで紫外部測定法である。
  3. 測定波長は400nmで可視部測定法である。
  4. 測定波長は340nmで紫外部測定法である。
  5. 測定波長は340nmで紫外部測定法である。

PM39 問題

血中薬物モニタリング(TDM)を行わないのはどれか。

  1. リチウム
  2. タクロリムス
  3. テオフィリン
  4. フェニトイン
  5. プレドニゾロン
解答と解説

解答:5

  1. TDMが行われる。気分安定薬の一種である。
  2. TDMが行われる。免疫抑制薬の一種である。
  3. TDMが行われる。気管支喘息治療薬の一種である。
  4. TDMが行われる。抗てんかん薬の一種である。
  5. TDMは行われない。ステロイド系抗炎症薬の一種である。

PM40 問題

骨吸収マーカーはどれか。2つ選べ。

  1. オステオカルシン(OC)
  2. デオキシピリジノリン(DPD)
  3. 骨型アルカリホスファターゼ(BAP)
  4. Ⅰ型コラーゲン架橋 N 末端テロペプチド(NTx)
  5. Ⅰ型プロコラーゲン C 末端プロペプチド(PICP)
解答と解説

解答:2,4

  1. 骨形成マーカーである。
  2. 骨吸収マーカーである。
  3. 骨形成マーカーである。
  4. 骨吸収マーカーである。
  5. 骨形成マーカーである。

PM41 問題

甲状腺ホルモンの作用でないのはどれか。

  1. 成長促進
  2. 発汗増加
  3. 心拍数増加
  4. 基礎代謝低下
  5. 消化管の糖吸収促進
解答と解説

解答:4

  1. 甲状腺ホルモンの作用である。
  2. 甲状腺ホルモンの作用である。
  3. 甲状腺ホルモンの作用である。
  4. 基礎代謝の亢進が作用である。
  5. 甲状腺ホルモンの作用である。

PM42 問題

コレステロールから生合成されないのはどれか。

  1. アドレナリン
  2. コルチゾール
  3. アルドステロン
  4. テストステロン
  5. エストラジオール
解答と解説

解答:1

  1. アミノ酸誘導体のため、生合成されない。
  2. ステロイドホルモンであるため、コレステロールから生合成される。
  3. ステロイドホルモンであるため、コレステロールから生合成される。
  4. ステロイドホルモンであるため、コレステロールから生合成される。
  5. ステロイドホルモンであるため、コレステロールから生合成される。

PM43 問題

疾患マーカーと病態の組合せで正しいのはどれか。

  1. KL-6――――――――――――――――細菌性肺炎
  2. シスタチンC――――――――――――肝不全
  3. プロカルシトニン――――――――――敗血症
  4. 脂肪酸結合蛋白(FABP)――――――――脳梗塞
  5. 脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)――腎不全
解答と解説

解答:3

  1. 間質性肺炎のマーカーである。
  2. 腎不全のマーカーである。
  3. TNF-αなどの炎症性サイトカインにより誘導され、肺・小腸を中心として産生が亢進する。
  4. 心筋梗塞のマーカーである。
  5. 心不全のマーカーである。

PM44 問題

推算糸球体濾過量(eGFR)の計算に用いるのはどれか。2つ選べ。

  1. 性 別
  2. 尿 量
  3. 体表面積
  4. 血清クレアチニン値
  5. 尿中クレアチニン値
解答と解説

解答:1,4

  1. eGFRの計算に用いられる。
  2. クレアチニンクリアランスの計算に用いられる。
  3. クレアチニンクリアランスの計算に用いられる。
  4. eGFRの計算に用いられる。
  5. クレアチニンクリアランスの計算に用いられる。

出典:厚生労働省ホームページ 第62回臨床検査技師国家試験問題および正答について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp160411-05.html

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