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こちらでは、平成27年(2015年)に実施された
第61回 臨床検査技師国家試験 AM29〜44 臨床化学
の解答と解説を掲載しております。
AM29 問題
ヒトの生体乾燥重量(%)で最も多く存在する元素はどれか。
- 水 素
- 炭 素
- 窒 素
- 酸 素
- カルシウム
解答と解説
解答:2
- 乾燥すると水分を構成する水素原子はなくなる。
- 乾燥すると水分を構成する酸素分子はなくなる。
AM30 問題
280 nm における吸光度が 2.0 と 0.5 の 2 種類のアルブミン溶液を1: 2 の割合で混合した。この混合液の 280 nm における吸光度として正しいのはどれか。
- 0.1
- 0.5
- 1.0
- 1.2
- 1.5
解答と解説
解答:3
- 1/3×2.0+2/3×2/3=1.0
AM31 問題
抗原抗体反応で非特異反応の要因はどれか。2つ選べ。
- 異好性抗体
- カイロミクロン
- リウマトイド因子
- 高アルブミン血症
- 高ビリルビン血症
解答と解説
解答:1,3
- 種を超えて広く分布する抗体で、非特異反応の原因となる。
- 非特異反応の原因とならない。
- 抗体のFc部分に対する抗体のため、非特異反応の原因となる。関節リウマチ患者で陽性となる。
- 非特異反応の原因とならない。
- 非特異反応の原因とならない。
AM32 問題
低ナトリウム血症をきたすのはどれか。
- 下 痢
- 嘔 吐
- 尿崩症
- Cushing 症候群
- ADH 不適合分泌症候群〈SIADH〉
解答と解説
解答:5
- 脱水により濃縮されるため、高値となる。
- 脱水により濃縮されるため、高値となる。
- 脱水により濃縮されるため、高値となる。
- アルドステロン様の作用を併せ持つ、コルチゾールの過剰分泌により高Na血症となる。
- 何らかの原因でADHが過剰に分泌されることで、抗利尿作用が過剰に働き、水分過多による希釈で低Na血症となる。
AM33 問題
糖尿病の診断基準で用いられるのはどれか。 2 つ選べ。
- 血 糖
- 尿 糖
- HbA1c
- グリコアルブミン
- 1,5-アンヒドログルシトール〈1,5-AG〉
解答と解説
解答:1,3
- 早朝空腹時血糖値:126mg/dL(7mmol/L)以上が基準である。随時(食後 2 時間):血糖値 200mg/dL 以上が基準である。
- 診断基準に用いられていない。
- HbA1c(NGSP)値:6.5%以上が基準である。
- 診断基準に用いられていない。
- 診断基準に用いられていない。
AM34 問題
蛋白含有量(重量%)が最も多いリポ蛋白はどれか。
- HDL
- IDL
- LDL
- VLDL
- カイロミクロン
解答と解説
解答:1
- リン脂質の含有量も最も多い。
- コレステロールの含有量が最も多い。
- トリグリセライドの含有量が最も多い。
AM35 問題
レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ 〈LCAT〉を活性化するアポリポ蛋白はどれか。
- アポ A1
- アポ A2
- アポ B100
- アポ C2
- アポ E
解答と解説
解答:1
- LCATの活性化を行う。
- HTGL の活性化を行う。
- VLDL の分泌、受容体との結合を行う。
- LPL の活性化を行う。
- 受容体との結合を行う。
AM36 問題
血清蛋白について誤っているのはどれか。
- アルブミンは遊離脂肪酸を運搬する。
- アルブミンはカルシウムと正の相関をする。
- 免疫グロブリンは大部分がγ分画に含まれる。
- 乳幼児期の免疫グロブリン濃度は成人より高い。
- トランスサイレチンの半減期はアルブミンより短い。
解答と解説
解答:4
- 遊離脂肪酸の45%が蛋白結合型で、アルブミンと結合している。
- 血中カルシウムの45%は蛋白結合型(非透過性)でアルブミンと結合している。
- 免疫力が未熟で、抗体産生能が低いため成人よりも低値である。
- トランスサイレチンの半減期は0.5日で、アルブミンは20日である。
AM37 問題
尿素窒素濃度 42 mg/dL の標準液の尿素濃度に最も近いのはどれか。ただし、尿素[(NH2)₂CO]の分子量は 60 とする。
- 0.7 mmol/L
- 1.5 mmol/L
- 7 mmol/L
- 15 mmol/L
- 70 mmol/L
解答と解説
解答:4
- 28:60=42:x
x=900mg/L
900/60=15mmol/L
AM38 問題
ビリルビンについて正しいのはどれか。
- 間接ビリルビンはジアゾ試薬に反応する。
- バナジン酸酸化法は吸光度の減少を測定する。
- ビリルビンの抱合体は主にタウリン抱合である。
- ビリルビンは紫外線により還元されてビリベルジンとなる。
- 直接ビリルビンはアルブミンに結合したビリルビンである。
解答と解説
解答:2
- ジアゾ試薬に反応せず、媒介剤によって間接的に反応するため、間接ビリルビンといわれる。
- ビリルビンを酸化させ、ビリベルジンへ変化させる。この褐色の減少を吸光度の減少を測定する。
- グルクロン酸抱合である。
- 紫外線により酸化されて、ビリベルジンとなる。
- グルクロン酸抱合を受けたビリルビンである。
AM39 問題
LD アイソザイムのうち急性心筋梗塞で最も上昇するアイソザイムについて正しいのはどれか。
- 血中半減期が最も長い。
- 急性肝炎でも最も上昇する。
- 4℃保存で最も不安定である。
- M サブユニットの 4 量体である。
- 電気泳動で最も陰極側に泳動される。
解答と解説
解答:1
- 急性心筋梗塞ではLD1とLD2が上昇する。LD1の方が優位である。半減期はLD1(100h)>2>3>4>5(10h)である。
- LD5が最も上昇する。
- LD4とLD5が低温失活性である。
- LD1はH型(心臓型)の4量体である。Mは骨格筋型である。
- 最も陽極側に泳動される。
AM40 問題
転移酵素はどれか。
- CK
- LD
- リパーゼ
- アミラーゼ
- コリンエステラーゼ
解答と解説
解答:1
- キナーゼとトランスフェラーゼは転移酵素である。
- 脱水素酵素は酸化還元酵素である。
- 加水分解酵素である。
- 加水分解酵素である。
- 加水分解酵素である。
AM41 問題
骨形成マーカーはどれか。 2 つ選べ。
- オステオカルシン
- デオキシピリジノリン
- 骨型アルカリホスファターゼ
- 酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ
- Ⅰ型コラーゲン架橋 N 末端テロペプチド
解答と解説
解答:1,3
- 骨形成マーカーである。
- 骨吸収マーカーである。
- 骨形成マーカーである。
- 骨吸収マーカーである。
- 骨吸収マーカーである。
AM42 問題
甲状腺疾患患者において自己抗体が産生されないのはどれか。
- TSH 受容体
- マイクロゾーム
- サイログロブリン
- 甲状腺ペルオキシダーゼ
- サイロキシン結合グロブリン
解答と解説
解答:5
- Basedow病で自己抗体が産生される。
- 橋本病で自己抗体が産生される。
- 橋本病で自己抗体が産生される。
- Basedow病で自己抗体が産生される。
- T₄とT₃の結合蛋白である。自己抗体は産生されない。
AM43 問題
脂肪細胞から分泌されるのはどれか。
- インスリン
- グルカゴン
- プロラクチン
- ソマトスタチン
- アディポネクチン
解答と解説
解答:5
- 膵ラ島β細胞から分泌される。
- 膵ラ島α細胞から分泌される。
- 下垂体前葉から分泌される。
- 膵ラ島δ細胞から分泌される。
- アディポサイトカインの一種で、脂肪細胞から分泌される生理活性物質の総称である。アディポネクチン、レプチン、TNF-αなどが含まれる。中でも、アディポネクチンは血中濃度が高くインスリン感受性を促進し動脈硬化を抑制する。
AM44 問題
サルコイドーシスで高値を示すのはどれか。
- アルドラーゼ
- アデノシンデアミナーゼ〈ADA〉
- アンギオテンシン変換酵素〈ACE〉
- ロイシンアミノペプチダーゼ〈LAP〉
- レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ〈LCAT〉
解答と解説
解答:3
- 解糖系酵素の一種で脱離酵素である。
- 胸膜炎の鑑別に用いられる
- サルコイドーシスでみられる類上皮細胞肉芽腫に多量に含まれており、血中に逸脱してくる。補助診断、治療効果の判定に使用される。
- 胆管の膜に存在し、胆汁鬱滞で高値となる、閉塞性酵素である。
- 遊離型コレステロールにレシチンの脂肪酸を転移させて、エステル型コレステロールを産生させる転移酵素である。
出典:厚生労働省ホームページ 第61回臨床検査技師国家試験問題および正答について
(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp230524-07b_01.pdf)